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2010-09-26 00:00
中国の不法・違法について日本の立場を世界に発信せよ
山田 光彦
元総合商社役員
尖閣列島沖で不法操業し、海保艦艇に体当たりした漁船員、船体、船長を中国の異常な恫喝、圧力の結果、当初の国内法による逮捕・取調べ方針から一転して、超法規的判断で釈放した菅総理、仙石官房長官の対応は、言語道断である。民主党政権が「戦略的互恵関係の為」と称して、中国に謝罪・賠償しないことを要求する。此のたびの中国のやり方は、正に北朝鮮、イランといった「ならず者国家」との類似性を彷彿とさせた。「異常な国が経済的・軍事的覇権を拡大させつつある」という見方を日本以外の国にも植えつけたと思う。同種事件の再発防止のためのみならず、味をしめた中国への今後の牽制のためにも、日本は中国の非を国際社会にあらゆる角度から訴える必要があり、直ちに官民で実行にとりかかるべきだと思う。要は 直ちに中国の内外に 中国の異常さ、ならず者ぶりに関する認識を浸透させる必要があり、今なら国際社会に理解者も少なからずいると思う。以下、具体的な提案をしたい。
(1)海保が撮影したビデオ映像を国際機関、メディア、インターネットに公開すべきである。普通の漁船が2度も海保艦艇に体当たりするものか、という疑惑が明らかにされるべきだ。
(2)中国、台湾は1968年に尖閣列島沖で石油ガスの存在が公表されるまで、尖閣列島の領有権を主張したことはなかった。欧米の報道は「disputed islandsでの両国船舶の衝突」といった一見公平なように見えるが、じつは中国側にも言い分があるような不正確な報道となっている。菅政権が突如として中国の圧力に屈した背景には、中国側の言い分に分が有るためだろう、との解釈を強めてしまう恐れがある。歴史的事実をPRすべきである。
(3)中国共産党政権の正統性保持のために、中国の学校教育では、日本は依然として軍事独裁侵略国家体制ということになっている。1945年以来 日本は平和国家として中国を含むアジア諸国に巨額の無償援助をしてきたこと、自衛隊は文民統制の下で専守防衛の方針で運営されていること、などを中国人民に直接伝わるように発信すべきである。
(4)軍事力・経済力を駆使した中国の覇権主義・中華思想に対して、同じような脅威を感じているASEAN諸国、豪州、インドなどと協働して対抗する必要がある。そのような体制を築くため、米国と協調して先導役を務めるべきである。
(5)中国の採った悪辣な人質作戦、レアアースなどの禁輸政策に関して、国際的な警戒心と批判を喚起する必要がある。
(6)最後に、中国の尖閣列島領有宣言、白樺ガス田の一方的掘削開始、レアアース等禁輸に関して、即刻国際司法裁判所およびWTOの場に提訴すべきである。
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