ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2010-10-16 00:00
(連載)劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞の意味(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
2010年のノーベル平和賞は、中国で服役中の民主活動家・劉暁波氏に授与された。ノーベル平和賞は欧州流左派リベラル知識人の政治的立場の表明という色彩が近年とみに色濃く、賞の価値に疑問を寄せる向きも多かった。昨年のオバマ米大統領の受賞は記憶に新しいところであるし、2002年のカーター元大統領の受賞に至っては、ノーベル賞委員会が自ら「ブッシュ大統領(当時)の単独行動主義への異議と受け取ってもらって結構だ」という弁解めいた発言をしていた。こんなことは西側内部の内紛であり、ノーベル平和賞の価値をむしろ低下させる行為であった。
しかし、2010年の中国民主活動家への平和賞授与は、左派リベラリズムのよい意味での真骨頂が発揮されたものと高く評価したい。もちろん、今年のノーベル平和賞も政治色が強いことには変わりはないが、しかし、人権の普遍性とその尊重を改めて世界に強く発信したことは、一大功績である。
劉氏の受賞理由は、中国における人権のため長年にわたって非暴力的闘争を行なってきた功績とされている。劉氏は2008年に、インターネット上で「08憲章」と呼ばれる有名な文書を発表している。「08憲章」は共産党一党独裁を批判し、自由・人権・民主を基本理念として掲げ、三権分立や言論の自由といった立憲主義的自由主義にとって根本的な19項目の要求を掲げた。「08憲章」はインターネット上で転載され、内外の賛同者の署名は1万人を超えたとも言われている。
ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は、記者会見で「中国は、新しい地位に見合った責任を果たすべきである」と指摘し、「中国による人権弾圧は、中国が署名した多くの国際協定のみならず、国民の言論・出版・集会・結社等を認めた中国自身の憲法にも違反している」と厳しく批判した。そして、劉氏を中国内外における「人権闘争のシンボル」であると称えた。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム