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2010-10-22 00:00
(連載)日中関係の構築は「真実」の上に(1)
角田 勝彦
団体役員
10月4日ブリュッセルでの日中首脳会合以来、レアアース輸入停滞は解決されていない(ただし日中だけの問題ではなくなった)ものの、中国で拘束されたフジタ社員の最後の1人高橋さんも釈放され、民間交流もかなり復活した。北沢防衛相がハノイで中国の梁光烈国防相と会談するなど、「日中間のハイレベル協議」開催による戦略的互恵関係進展への動きもあった。菅内閣は、さらに28日からハノイで行われる東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の機会に正式な日中首脳会談を行い、11月13、14両日に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への胡主席出席につなげようと努力している。
隣人という特別の関係にある大国・中国との戦略的互恵関係進展は歓迎すべきであり、菅内閣の努力は評価するが、領域警備での軍事の論理(要するに抑止)をおろそかにしないことと並び、この戦略的互恵関係関係がごまかしでなく「真実」の上に構築されるよう努めねばならない。
この意味での当面の懸案は、尖閣ビデオの公開問題である。二転三転した政府・与党は、21日ビデオの国会提出をAPEC首脳会議以降に先送りする方針を固めたと報じられる。その理由は、中国側の反発を招く惧れがあるからということのようだが、この理由づけは、21日に中国の胡正躍外務次官補が中国に向けられた前原外相の一連の発言を批判し、今月末のハノイでの日中首脳会談の調整に影響を及ぼしていることを示唆したことから見ても、納得できない。中国の嫌がることは行わないという路線は、行き詰まっている。
ビデオが野党の政府攻撃に利用されるという惧れはあろうが、国会のビデオ提出要求は尊重すべきだろう。提出しないことが、中国側に真実に反する一方的主張を展開する機会を与えたりして、むしろ「国家の重大な利益に悪影響を及ぼす」可能性があるのである。(つづく)
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