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2010-10-23 00:00
(連載)日中関係の構築は「真実」の上に(2)
角田 勝彦
団体役員
中国政府は「日本の巡視船は中国の領海で中国漁船を囲み、追いかけ、行く手を遮り、衝突して損傷させた」(姜瑜・中国外務省報道官)と主張し、中国国営通信社や共産党系のインターネットサイトで、海保の巡視船側が中国漁船に衝突したとする図などが掲載された。中国ネット空間にはこれに基づく主張や過激な反日の書き込みが続いている。中国四川省成都など3都市で起きた10月16日の反日デモが、許可した地元政府当局の予想を超えて拡大し、17日以降四川省綿陽や湖北省武漢など許可されていない都市にも飛び火するなど統制を失ったのには、その影響も強い。
中国との友好互恵関係は政府・党のみならず両国民の間でも構築されなければならない。その基本になるのは、真実である。問題のビデオが、それを見た前原外相の話のように、「明白に中国漁船がかじを切って体当たりをしてきた」映像のもので、公務執行妨害容疑で中国人船長を逮捕した日本側の主張を裏付ける証拠となるのなら、誤解解消に役立とう。中国以外の諸国にも訴えるものがあろう。
要するに、13日の衆院予算委員会の全会一致でのビデオ提出要求決議は尊重すべきだろう。横路衆院議長は、すでに那覇地検に提出要求を行っている。また参院予算委員会も19日の理事懇談会で、提出を政府側に求める議決をすることで一致した。なお提出は「刑事事件の証拠だから、捜査当局が責任を持って判断する」(10月1日仙谷官房長官記者会見)との説明があるが、政治的判断となることは明白である。
さて中国の反応である。当面ASEANでの正式な日中首脳会談のほかに、APECへの胡主席出席の問題がある。ビデオについて政府内で対応の一任を受けたとされる仙谷官房長官は、18日の参院決算委員会で、自民党の丸山和也氏より、両者間の当時の電話会談で、漁船船長の釈放を遅らせると「APECが吹き飛んでしまう」と言わなかったかと質され、不快感を示しつつ「記憶にない」と答弁したが、胡主席出席がAPECの成否を左右するわけではあるまい。また欠席になっても、損するのは中国である。したたかな外交を基本とする中国は、賢明であると期待する。(おわり)
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