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2010-10-27 00:00
(連載)対中国二元外交を排す(2)
角田 勝彦
団体役員
報道によれば、今回、中国外交を統括する戴秉国(たいへいこく)国務委員との直接交渉による解決を急いだ首相官邸は、外務省は中国とのパイプが十分でないとして、仙谷官房長官の民間ルートを使い、細野豪志前幹事長代理を「密使」として訪中させ、9月29日夜に長時間にわたり中国外務省幹部(最後に戴国務委員登場)と会談させて、フジタ社員解放とブリュッセルでの日中首脳会談を約束させ、その代償として中国は、海保ビデオの非公開と沖縄県仲井真知事の尖閣視察中止などを求め、日本は応じた由である。
これは外務省(民主党が民間出身として鳴り物入りで送り込んだ丹羽駐中国大使を含む)外しを意味する。分断工作を伝統芸とする中国側も外交ルートを軽視し、官邸(仙谷官房長官)との直接交渉に力を入れだしている。ハノイの首脳会談の議題も程永華駐日中国大使と仙谷官房長官の間で話されているとの報道もある。中国側が提案したとされる尖閣共同開発案などが取り上げられ、前原外相が前記記者会見で、首脳会談の前の日中外相会談の希望個別議題として述べた、「レアアースの問題であるとか、東シナ海のガス田の話であるとか、日中航空交渉の再開の話であるとか」が積み残しされなければ幸いである。
10月15日、宮本前駐中国大使は、日本記者クラブ講演で、日本国内全体での方向性の一致が不可欠との考えを示すとともに、民主党政権の対応について「(もっと)大いに(外務省の)プロ集団を使っていただきたいと心から思う」と述べた。
伊藤憲一氏が指摘された「戦後日本外交の風景」である「(いわゆる)友好関係(貢献)」を第一義とする「ことなかれ主義」外交の弊害を全否定するものではないが、外務省には専門知識と経験がある。政治主導の民主党も国益確保のため再考すべきときが来ている。(おわり)
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