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2010-11-10 00:00
ただ事実関係に基づく実証的な議論を提唱する
吉田 重信
中国研究家
本日付け本欄における杉浦正章氏の意見表明に関し、筆者の立場は、十分な証拠が提出される前に、海上保安庁寄りであるとか、中国寄りあるとか決めつけて、あれこれと憶測をたくましくするのは、一興ではあるが、当面は差し控えた方が、このような討議のフォーラムの場では、お互いに学び合うことができ、建設的な議論ができるだろうということです。さもなければ、勝手な推論に基づく水かけ論に堕してしまうからです。したがって、現時点では、杉浦氏の所論には、筆者はなんらの反論をしない。ただ、今後、実証的な解明に必要な、以下のような事実関係と筆者が得た情報源につき、お伝えしておきたい。
衝突事件の10時間にわたる時間帯において、保安庁側巡視船2隻の衝突前および後の状況を映した個所のビデオ映像(2隻の巡視船の航路の軌跡、状況を映したビデオの位置と角度など)は、まだ公開されていない。つまり、ビデオを写した位置と角度によっては、巡視船の方が、中国船の進行航路を故意に妨害したのかもしれない。中国側は、一貫して日本側船舶が衝突したと主張しており、今後提出されるべきビデオ映像の内容いかんによっては、中国側の主張に有利な資料となるかも知れない。ビデオの流出行為は、杉浦氏お好みの“義賊”などではなく、日中関係を混乱させ、悪意をもった者の仕業かも知れない。この点は、今後証拠に基づき明らかになるだろう。
海上保安庁の巡視船が中国漁船を拘束した肝心な場面を映したビデオの部分が、なぜか公開されていない。その理由は、海上保安庁巡視船による無理な拘束行為があったのではないか、と疑問を抱かせる。ちなみに、那覇地検の検事は「中国側船長の行為には、計画性がなかった」旨説明しており、そこから、巡視船側に、過剰かつ不法な「公務執行行為」があったのではないか、とうかがうこともできる。
筆者が先に引用した「中国筋」は、確実に中国政府上層部につながる筋である、と認識している。いずれにせよ、中国政府が露骨にも前原外相外しを狙っていることは、ハノイにおける中国側による前原外相に対する取り扱ぶりを含む諸事実からみて、明らかである。その故にこそ、先日、伊藤憲一氏が本欄で「前原外相外し」をはかる中国側の動きについて、懸念を表明したものと理解する。なお、筆者も、わが国国益を守る立場から、伊藤氏の意見に賛同する旨、本欄で表明したつもりである。
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