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2010-11-23 00:00
「小型朝鮮戦争」勃発なら、菅政権にとっては「天佑」
吉田 重信
中国研究家
朝鮮半島情勢がにわかに悪化してきた。今のところ、米、韓、日の軍事的準備状況をテストするのが、「北」の狙いであるとみられる。事態がしばらくして収束すればよいが、緊張が激化、継続すれば、「小型朝鮮戦争」に発展する恐れがある。
その結果は、わが国の内政上において、管民主党政権の運営に有利な事態をもたらす可能性がある。菅政権は、目下内外政面での失敗により、風前のともしび状態におかれているが、今回の朝鮮半島情勢がさらに険悪化すれば、国内的に与野党間に「休戦」が成立し、それが管政権に延命をはかるチャンスを与えるかもしれないからだ。
もし「小型朝鮮戦争」の勃発ともなれば、日本経済は潤い、懸案の経済不況や財政赤字は一挙に解決されるかもしれない。「他国の戦争は、自国の経済のチャンス」というのは、第一次世界大戦時以来の歴史の教えるところである。そのような中で、ただでさえ不安定さを増している太平洋情勢は、いっそう混迷するだろう。
他方、もしも管政権が安全保障上の対応策に成果をあげることができれば、国民の支持率は回復し、管政権はある期間にわたり生き残る可能性も出てこよう。成り行き如何によっては、管首相は「天佑」を得ることになるのかも知れない。新事態の発生により、未来予測はますます困難になっているものの、一つの予測として、記録にとどめておきたい。
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