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2010-11-25 00:00
(連載)朝鮮学校への高校無償化適用を当面中止せよ(2)
角田 勝彦
団体役員
ボズワース氏は11月23日の協議で中国側の考えも聞いたうえで、本国に持ち帰って、米国としての最終的な対処方針を決定する由であるが、いずれにしても6者協議再開はこれまで以上の難航が予想される。さて日米韓3カ国は「何事もなかったかのように見過ごすわけにはいかない」という点で一致しており、日本としても何らかの対策が必要である。この関連でひとつ考えられるのは、国内で批判も強い「朝鮮学校への高校無償化適用」を少なくとも当面中止することである。
3月に成立した高校無償化法案の朝鮮高校への適用(就学支援金支給を含む)については、国会で批判が強く、第三者機関で適用の要件を検討することになっていたが、11月5日「専門家会議」の報告書に基づき文科省は「個々の具体的教育内容については基準としない」旨の適用基準を決定している。ただし、教育内容に懸念がある場合は「留意事項」として学校側に通知し、自主的な改善状況の報告を求めることができると規定した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との関係も不問としている。
この結果、現在運営されている朝鮮高校10校が11月中にも申請すると見られ、年内にも支給対象に指定されよう。適用が決まれば世帯年収に応じて生徒1人当たり年額約12万~24万円が4月にさかのぼり支給される。来年度分として2億円以上の拠出が年内にも決まりそうと見られている。これには「公金その他の公の財産は、----公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」とする憲法第89条違反との疑いのほか、北朝鮮制裁に関する国連決議等への違反の疑いもある。
朝鮮学校は実質的に朝鮮総連の下部組織であるが、朝鮮総連は、11月18日、機関紙の『朝鮮新報』(電子版)で「自前の軽水炉が建設されれば、核問題に関する従来の協議はすべて無効」とする記事を掲載した。北朝鮮の国際交渉力がウラン濃縮や軽水炉建設で高まると見て、応援しているのである。国内でも反対は多い。拉致被害者家族会と支援団体「救う会」は「拉致問題で日本が軟化したとの誤ったメッセージになる危険が大きい」などと主張している。これほど問題と反対が多い高校無償化法案の朝鮮高校への適用は、ウラン濃縮疑惑まで生じた現在、少なくとも時間をかけて熟考したほうが良いのではないだろうか。(おわり)
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