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2010-12-08 00:00
3度目の自滅の危機にある日本
現田 実
サラリーマン
江戸幕府、大日本帝国と、2度に渡って自滅に近い形で日本は滅びました。その後に奇跡的な躍進に成功しましたが、今回の経済危機では日本は3度目の自滅の危機に直面しています。日本ははたして再生出来るのでしょうか?この大問題に答える為には、「歴史的観察」「仮説の提示」と「再生案の提案」が必要と考えます。
(1)歴史的観察
幕末期の江戸幕府は所有する人材・経済力・技術力等で討幕勢力を圧倒していました。しかし現実には幕府は倒れ、サムライと呼ばれる身分すら消え去りました。大日本帝国は経済力・軍事力等で自他共に認めるアジアの覇者でしたし、技術力でも航空機や大型船舶を量産する能力をアジアで所持する唯一の国家でした。しかし現実には破滅的な敗戦を招きました。20世紀末の日本社会は所有する技術力はまだまだ高いレベルでしたし、非婚化による人口バランス崩壊も今程に絶望的な状況ではありませんでした。しかし現実には景気回復を焦るあまり、「ピンハネ無制限」(究極の規制緩和)の派遣法に暴走し、今や非婚化(少子化)は破滅的です。
(2)仮説の提示
人材バランスの崩壊が破滅を招いたのではないか?と思われます。優秀な人材は、大まかに言って2種類に分けることが出来ます。「重箱の隅」派は、物事の細かい処を無視せずに徹底的に仕上げ、ひたすら努力を怠りません。基本的に常識派であり、その場の空気を尊重する事も忘れません。しかし、重箱の底が抜けていても気がつきません。これに対し、「重箱の底」派は、物事の細かい処に気がつかず、雑な仕事をします。関心は多岐に渡ってますので、ちょいちょい脱線します。基本的に常識を信じていません。その場の空気も冷笑する傾向があります。しかし、重箱の底が抜けていたり、抜けかけている時には、すぐ気がつきます。社会はその黎明期には、両方の人材が適度にバランス良く配置されていますが、だんだん「重箱の隅」派が社会の中枢部を占めるようになり、柔軟な思考能力を喪失する傾向があります。逆に言えば、日本的常識に縛られない人材(移民等)を、その才能だけを唯一の物差しとして受け入れることで、社会全体としての柔軟な思考能力を回復させる事が可能です。
(3)再生案の提案
世界各地に優れた人材を求めて、新時代を切り抜ける力を備える知的な多民族国家を構築すべきです。留学等で日本の大学を卒業した者には、希望すれば日本国籍をプレゼントすべきです。優秀な知性を備えながら経済的理由等で勉強のチャンスに恵まれない少年少女(中学相当年齢)には、日本国籍の受取り承認を条件に、公的費用で日本に招き、勉強のチャンスをプレゼントすべきです。締め切られた部屋は澱みますし、流れることを止めた水は腐り果てます。当然ながら、過度に同質な人材で構築された社会は自壊します。逆に言えば、社会全体の風通しが良くなれば、自滅後の再生も早いでしょう。明治維新後にサムライと呼ばれる身分は消え去り、勇敢な者に対する尊称になりました。サムライと呼ばれる為に家柄は必要なくなりました。勇気に欠ける者がサムライを名乗っても、冷笑されるだけです。戦後に華族と呼ばれる身分が消え去り、伯爵等の呼称は気品と知性を兼ね備えた者に対する尊称になりました、伯爵と呼ばれるのにもはや家柄は必要ありません。気品や知性に欠ける者が「血統を尊敬しろ」と喚いた処で、冷笑されるだけです。そして、このような冷笑が社会の風通しを良くし、その発展の原動力になったのです。血統や民族や肌の色や髪の色を拠り所にして、閉鎖的な社会を維持できる甘い時代ではありません。如何でしょうか?
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