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2010-12-16 00:00
野党時代の“遺伝子”で政治をやっている民主党政権
杉浦 正章
政治評論家
だじゃれシリーズで言えば、もう「厠の火事」で「やけくそ」なのだろうか。見ている方がはらはらするほど、民主党政権は政府・与党挙げて支持率低下に向けて、全精力を傾注しているように見える。どうも政権自体が、社会党などの野党時代の“遺伝子”で政治をやっているようにも思える。うそはつき放題、普通は隣に聞こえないようにやる内輪もめも、テレビの前で堂々とやる。それを一枚上手の小沢一郎が巧みに利用する。これでは国民も「鐘撞きの昼寝」で「一言もない」。
悪役・小沢を全面支持する民主党内の中堅・若手は、国会招致反対決議を出したり、岡田を追い込むための両院議員総会開催の署名運動をしたり、国民感情の逆なでに余念がない。小沢支持の議員らが小沢を支持すれば支持するほど、国民は遠ざかる事を知らないかのようである。そこには政権政党としての責任感など微塵もない。明らかに長年染みついた野党感覚があるだけである。かつて、政権は自民党に任せて、あることないこと追及していれば事足りた、何でも反対党の遺伝子がなせる業である。
「貧乏人のお粥」で「湯ばっかり」の官房長官・仙谷由人も、政権中枢にありながら野党感覚が一番横溢している。仙谷は、問責決議問題で、「私には『おまえ辞めろ』と言ってきた人はいない」と開き直ったが、さすがに参院議長・西岡武夫は議長職を心得ている。12月15日「問責決議を何と心得る」と怒って、「もっと真摯(しんし)に受け止めてもらいたい」と記者会見でくぎを刺した。平気でうそをつくのも、野党時代の習いだ。紛れもない政治主導であった尖閣事件の船長釈放を地方検事の責任に押しつけて、知らぬ顔のままなのは、官房長官職における戦後最大のうそでもある。歴代政権のスポークスマンも、これほどのうそはつかなかった。「うそも身の芸」に徹していて、「うそらしいうそはつくとも、誠らしいうそはつくな」などという感覚は、ゼロだ。もっともすぐにばれるという判断が出来ないことの方が問題ではあるが。
そして国民の神経逆なでの総本山・小沢の専横ぶりだ。15日も国会招致問題について、「私が出ることで、国民の支持が得られ、選挙に勝てるのであれば、いとわないが、その見通しは立っていない」と宣う始末だ。発言からは、この人物の価値観がすべて唯我独尊であることが分かる。国民の支持が得られないのは、自分が説明責任を果たさないことに尽きるのだ。最後に「いずれ裁判で決着がつくのだから、国民のために頑張りたい」のだそうだ。
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