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2010-12-20 00:00
(連載)ウィキリークス問題で考えること(1)
水口 章
敬愛大学国際学部准教授
内部告発サイト「ウィキリークス」に関しては、(1)サイバー空間でのウィキリークス支持者によるハッカー攻撃、(2)同サイトの創設者ジュリアン・アサンジュの逮捕、(3)欧米有力メディアの報道ぶり、(4)外交上の影響、に分類して、その動向分析を行う必要があるだろう。
(1)について興味深い点は、今回のサイバー攻撃の主体となっている「アメニマス(匿名)」、「ペイバック(報復)作戦」を名乗るハッカー・グループが、情報の共有化を図り、統一行動を行うために、ウェブサイトを立ち上げていること、フェースブックやツイッターを活用して組織化を図っていることである。こうしたおそらく相互に直接的人間関係がない人々が、企業、地域、国家などの枠組みを超えて集団行動をとろうとする理由は、一体、何だろうか。ニュース・サイトのワイアード・コムは「彼らの行動は、単にウィキリークスの未来ではなく、ネットの自由そのものだ」と指摘している。では、ここで言われている「自由」とはどういうものだろうか。
(2)のアサンジュ容疑者は、オーストラリア出身の元ハッカーで、4年前にウィキリークスを創設した。2009年、アムネスティー・インターナショナルより「メディア賞」を授与され、その活動は一層注目を浴びた。アサンジュ容疑者は、容疑内容について「告発活動を妨げるための中傷だ」として否定している。ここで注目されるのは、同サイトに対する資金提供の動きである。例えば、ドイツの「ワウ・ホランド財団」は年間20万ドルを同サイトに拠出しているが、この11月には、特別に60万ドルの支援を行っている。また、アサンジュ容疑者は世界各国にいるウィキリークスのスタッフに圧力がかかれば、さらなる機密情報を公開をすると宣言している。このことからすると、同容疑者の逮捕は、短期的にはウィキリークスの活動にあまり影響がないといえるだろう。
今後、米国の大手銀行や石油大手のBPを告発する情報の公開が予定されていると言われている。問題は、アサンジュ容疑者が投獄されるか死亡した場合には、「毒薬」とも言われているファイル「insurance.aes256」が公開されると言われていることである。こうした行為は、身を守るためとはいえ、国際社会に対する恐喝ともいえそうである。これは、「正義」なのだろうか。(つづく)
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