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2010-12-21 00:00
(連載)問われる日米同盟の守備範囲(2)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
日米同盟によって、日本は貴重この上ない政治的な威信を得ることになった。主要先進民主主義国の一員として、日本はヨーロッパとは「事実上」の同盟関係にある。フランスのバレリー・ジスカールデスタン大統領が1975年の第1回ランブイエ・サミットに日本を招いたことは、象徴的である。また、日本はカナダとイタリアに先駆けて、欧米主要国によるG5プラザ蔵相会議に参加した。ヨーロッパ諸国が日本を重要なパートナーと認めているのは、単に日本が経済大国だからではなく、共通の理念と戦略的利害を持っているからである。
安全保障でも、日本は日米同盟を通じてアメリカの同盟諸国との関係を深めている。対テロ戦争の勃発以来、NATOは日本との戦略提携の発展に着手した。イラクでも、日本の自衛隊は日米同盟を通じてイギリスとオランダとの共同作業に従事した。アメリカとの「特別関係」は、日本の多国間外交、特にヨーロッパの自由民主諸国との関係強化に大いに役立っている。
日本国民の中には、この同盟によって日本がアメリカ主導の西側陣営への参加を「余儀なく」され、外交政策での自主性が失われていると嘆く者もいる。しかし、明治維新以来、この国が西洋列強の一員であることは、「国家の基本」方針であった。日米同盟は、日本にとって自然な同盟なのである。
両国の同盟関係は、アジア太平洋地域でも日本の多国間外交に役立っている。北朝鮮の核実験に際し、イギリスやオーストラリアのようなアメリカの同盟諸国も沖縄に早期警戒機を派遣した。日本国民がこうした多国間の支持を喜んだことは言うまでもない。中国と北朝鮮の脅威に鑑みて、日本はオーストラリア、インド、韓国、インドネシアなどとの地域安全保障提携を模索している。これは日米同盟に後押しされている。(つづく)
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