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2010-12-22 00:00
(連載)問われる日米同盟の守備範囲(3)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
先の日本国際フォーラムの外交円卓懇談会で、質問の機会があれば、日米両国の同盟関係に「開放的」かつ「多国間」の性質があることを、ウォーレン大使に問いかけていたであろう。大使の講演は非常に刺激的で、参加者からは数多くの熱心な質問が寄せられた。しかしウォーレン大使が外交円卓懇談会で再三にわたって述べたように、日米の同盟関係には「排他的」な側面が多くあることも事実である。典型例を挙げると、最近の北朝鮮の攻撃に際し、日本は「困った時の友は、真の友」として韓国を助けることができなかった。
この点に関し、現在の日米同盟のグレード・アップのロール・モデルとなっている英米関係に言及したい。米国には対英関係だけを専門とする「ブリティッシュ・ハンドラー」なるものは殆ど存在しない。イギリスの政策形成者達は、世界戦略に関心があれば、そのようなアメリカのパートナーと、また、特定地域の問題であれば、そのようなアメリカ側の対応する人物と話し合っている。ロシア問題ならアメリカのロシア問題専門家と話し合う。イラク、アフガニスタン、イラン問題などでも同様である。ここに挙げたような場合に、ダウニング街やウエストミンスターの専門家では何の役にも立たない。
そうして見ると、日本の政策形成者達がアメリカ側の「ジャパン・ハンドラー」(永田町や霞ヶ関の専門家)に依存しているのは、あまりにも心もとない。この「イングリッシュ・レッスン」から教訓を得られれば、日米関係だけでなく、日英関係についても、その強化・発展につながるだろう。ちなみに、この「日米英の三角形」は、鳩山由紀夫氏が主張する「日米中の正三角形」よりはるかに良いものである。
最近の日本国民は日米同盟を再評価する際に、中国の拡張主義と北朝鮮の暴虐に目を奪われ、その観点から再評価する向きが多い。しかし、我々がこれまで以上に持続的で強固な日米同盟を築き上げるには、東アジア地域の視点だけでなく、世界的な視野のなかで「開放的」、「多国間」かつ「グローバル」な日米関係を志向する必要があるであろう。(おわり)
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