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2010-12-24 00:00
松井啓氏の中国論に賛同する
吉田 重信
中国研究家
12月23日付け本欄への松井啓氏の投稿「岐路に立つ中国の大国主義」にほぼ全面的に賛同し、若干補足したい。「近年あらわになった中国の粗暴な大国化の動きは、日本の近代史をなぞっている」との松井氏の指摘は、全くそのとおりである。さらに付け加えれば、「現代の中国のあり方は、日本の過去の行為が作り出したものである」ということだ。日清戦争における日本の勝利やその後のとどまることなき日本軍の中国侵攻などは、蒋介石に「一盆の砂粒」と嘆かせた中国国民に愛国心の火を燃え立たせ、団結統一させ、結局は中国共産党を政権の座に着かしめた。
これは、ほかでもない毛沢東主席自身が公言していることである。中国がいまや、国連安全保障理事会の常任理事国として、「世界を取り仕切る」資格を得ているのは、「カイロ会談」などにおいて対日戦争における「連合国」の一員に中国が受け入れられたことの結果である。その遠因は、日本の対中、対米戦争にあった。中国は、今や日本の国連安保理の常任理事国入りに猛反対していて、このお蔭で日本の安保理入りの希望が実現するメドはない。日本は、このような「歴史の逆説」によって懲罰を受けているのであり、中国側からみれば、これは日本の「自業自得」であろう。
その後、日本は、富国強兵路線が成果をあげたことに伴い、軍部が政権を掌握し、米国をも相手とする無謀な多面作戦を行い、ついには中国を含む「連合国」に対し「無条件降伏」するに至った。国家が外国に占領、統治されるに至ったことは、明らかに失敗だった。
したがって、中国には「このような日本が近代化の前半において成功した面だけでなく、後半において失敗した教訓をも学ぶように」と、期待を込めて、予測したい。日本が今中国に対してできる、数少ないことのひとつは、中国の将来に対する日本の危惧と、日本の失敗体験に基づく助言を率直に伝えることではあるまいか?「中国よ、日本の失敗の道を歩むなかれ」と言いたい。
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