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2011-01-07 00:00
(連載)物価低落にこだわらず、実質的経済成長を目指せ(1)
角田 勝彦
団体役員
もはや物価の低落傾向は世の趨勢になっている。物価の低落には良い点も多い。「デフレ脱却のためのインフレターゲット論」などに拘泥せず、実質的経済成長を追求すべきである。昨年暮の本欄への投稿でも指摘したが、我が国当面の課題は経済社会問題である。一般会計総額92.4兆円と過去最大の平成23年度予算案の重要性は言うまでもないが、国内総生産(GDP)の2倍弱の900兆円近い政府債務を抱えながら慢性的低迷が続く日本経済の再活性化の緊急性が指摘されている。
超高齢化社会接近との関連もある。昨年11月20日英誌『エコノミスト』は「未知の領域に踏み込む日本」と題する日本特集号で、「少子高齢化が日本経済の再活性化やデフレ脱却の大きな障害になっており、日本はこの問題に最優先で取り組む必要がある。日本の『穏やかな衰退』を食い止めるには生産性の向上や女性の活用など『文化的な革命』が必要だ」と結論付けた。
金融・財政政策のみならず、規制緩和など可能なあらゆる手段を講じて官民が協力し、日本経済の再活性化に励むべきことは当然である。幸い経済3団体トップは1月5日の年頭共同記者会見で、「(足踏み状態になっている)日本経済は、早ければ今春以降に回復に向かう」との見方を示した。また政府に対しては、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加とその前提となる農業改革の推進、税財政と社会保障制度の一体改革を断行するよう強く求めた。ただし、その前に各手段の妥当性を検討すること及び経済面のみならず社会的コストを計算することが不可欠である。たとえばTPPについては、GDPのみならず農村への影響を考慮する必要があろう。
さて、いま論じたいのは、インフレターゲット導入の是非である。新年に入り1月4日付け『日本経済新聞』は、日本経済研究センターとともにまとめた「経済再生に向けた共同提言」を掲載した。この提言は、政府と日銀が協力し、金融緩和と成長力強化策を合わせて実施することで、2年以内にデフレを克服するよう求めている。法人税率の10%超引き下げやTPPへの早期参加が成長底上げには不可欠との指摘もしている。(つづく)
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