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2011-01-19 00:00
与野党激突必至で「寸前暗黒」の国会運営
杉浦 正章
政治評論家
「何が起きるか分からないが、仁義だけは切っておく」と仙石民主党代表代行が、“裏国対”として頻繁に会っている自民党副総裁・大島理森に、1月18日、不気味な“ご託宣”をした。まさに「寸前暗黒」の国会が来週から幕開けとなる。自民党は来年度予算案と引き替えの解散・総選挙か、内閣総辞職に照準を合わせ、正面からの正規戦に、ゲリラ的な遊撃戦を加えて、政権を追い詰める構えだ。公明党も統一地方選挙を前に民主党との対決色を強めており、総じて自公連携は維持できそうだ。自公両党が18日までに固めてきた基本戦略は、予算案そのものを攻撃するいわば正規戦と、「政治とカネ」の小沢一郎、「変節漢」の与謝野馨をあらゆる場面をとらえて攻撃する遊撃戦に分けられる。
小沢と与謝野については民主党内にも批判勢力があり、攻撃することで政権内を揺さぶり、崩壊へと導くことを念頭に置くだろう。まず小沢については、目前に迫った強制起訴をとっかかりに、議員辞職勧告決議案の上程と証人喚問を軸に攻めることになる。しかし、議員辞職決議も法的拘束力はなく、可決された戦後の4例のうち、全てで辞職を拒否されており、たとえ民主党が同調して可決できたにしても、小沢には利かないだろう。しかし統一地方選に向けては、格好の宣伝材料になる。「変節」追及の材料に事欠かない与謝野に関しては、最終的には問責決議までいくだろう。しかし戦術的には与謝野だけの問責では足りず、与謝野問責と菅問責を絡めた政局へいかに発展させるかがカギだ。
正規戦の予算案の取り扱いは、年度内成立をはかるために30日間の自然成立を考慮すると、3月2日の衆院通過が不可避となる。したがって、同日を軸にしての攻防となるが、野党がすんなり通すことはあり得ない。同時に予算関連法案26本の取り扱いが問題となる。参院で否決となれば、衆院で全部を再可決することは政治的には不可能であり、これが“政局”への導火線となりうる。しかし、問題は子ども手当法案で野党が一致できるかだ。公明党が4月1日の手当支給にこだわれば、足並みは乱れる。しかし、大勢が解散か、総辞職となれば、与野党一致で通すことは可能だ。そこに「解散または総辞職」と「法案成立」の“取引”が可能となる情勢が生まれる。政策的には消費税導入、マニフェスト見直し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を軸に追及する。
基本的には統一地方選と解散・総選挙を意識した厳しい対決姿勢を野党が維持して、政権を追い込む形となるが、菅の言う「最強内閣」が持ちこたえられるだろうか。それには世論の支持率も大きく作用するだろうが、改造しても微増であったことが物語るのは、国民の間に「民主党政権を選んだのは失敗だった」との意識が横溢している証拠だ。ほころびは巧言令色の与謝野あたりの国会答弁から生ずる気がする。今度ばかりは、巧言が利かないのだ。菅政権は「一寸先は闇」に加えて「一寸下は地獄」の荒波に翻弄されるだろう。
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