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2011-02-07 00:00
北方領土不返還で失うものの多いのは、ロシアである
四条 秀雄
不動産業
日本を担当するロシアの情報分析者は、大きな間違いをしているように思う。北方領土問題で日本が妥協することは永遠にないであろう。それが分からないのだ。言葉の論理性を重んじる西洋人と異なって、日本人は行動を重視して判断する。それは、日本人の日常生活や仕事のやり方を観察すれば分かることだ。従って、ロシアが北方領土を返さない限り、日本人は絶対にロシアを信用しないのだ。生理的に信用できないのだ。
日本人が領土問題を棚上げし、ロシアとの経済協力関係を優先しているように見えるのは、日本人がロシア文化の熟成度やロシア社会の安定性を観察しているからだ。それは意識的なものではなくて、文化的な、あるいは無意識的な観察だ。北方領土問題が未解決のまま残っていることは、ロシアにとっても大きな損失になっている。
1990年代に返還を成し遂げておけば、プラザ合意のあと、日本の投資によってアジア一帯が大きな成長をしたのと同じように、ロシア極東部も成長したはずである。おそらく沿海州一帯は、製造業と観光業に支えられて、中進国~準先進国に近い状態になっていたはずだ。しかし、ロシアはその機会を3度逃した。
現在、日本は2度目(おそらく最後)の円高の波をかぶっている。ロシアはこの波に乗ることにも失敗しているように思う。さらに、20~30年後のことを考えると、その頃の日本には中国人が2~300万人は居るだろう。中国との結びつきが非常に強くなっている。米国もまた、日本という大国を英語化や市場の自由化において釣り上げることに成功しているかもしれない。そこにはロシアの居場所はない。
日本というのは、ロシアにとって、地政学的に非常に重要な場所であるにも関わらず、ロシアは北方領土のために、日本への影響力を完全に失ってしまっているのだ。
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