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2011-02-11 00:00
(連載)TPPは国民性変革の好機到来(2)
小山 清二
公務員
TPPの前にも、FTA(Free Trade Agreement、自由貿易協定)やEPA(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)がありますが、これも大して進展していないままに、日本は韓国などにも大きく取り残されていくようです。このままでは、世界の孤児、三流国家に転落するでしょう。いまこそ、思い切って国内改革を進めて、世界経済の仲間入りを果たすべきです。日本はその転換期に来ていると思います。
私は、いつも、何が何でも「反対」ではなく、外圧を利用し、便乗して、国内の「改革」を進める、肉を切らせて骨を切ると言う立場です。農業も、官僚の干渉(その背後には農協という巨大組織の既得権益がある)で駄目になった側面があり、今や、農業の改革には政治主導の自主独立の機運が必要と考えます。何時かは到来する事態であり、TPPがなくても日本農業が崩壊の前夜にあるのは事実です。幾多の利権構造を打破して、画期的・創造的な仕組みに作り変え、農業技術改革を実践せねばなりません。TPPは、恰も幕末時と酷似した「開国か、攘夷か」の国論を二分する事態だと思います。
ところで、最近、全世界に展開する米国の大使達が急遽ワシントンに呼び戻されるという事態が発生したそうですが、これは背後に権力の変化や経済の破綻を秘めた米国からの極秘メッセージの伝達があるように思われます。日本も連動して、近く大きな政変があるようです。即ち、米国の覇権が大きく後退する兆しが現れてきている中で、米国主導のTPPにも何らかの変化の兆しがあるのかも知れません。米国べったりのTPP外交には慎重になった方が良いかも知れません。1980年代頃から危機が喧伝されてきましが、その背景に潜むグローバル化の本質とは、カネ、モノ、サービス、情報など全てが自由化される歴史の流れです。したがって、それは、何も環太平洋に限られた話ではありません。全世界的な流れに発展していくことでしょう。
これまでは、グローバル化に伴う危機の本質には、目に見えにくいものがありましたが、ようやくFTA、EPAに続いて、最後にこういうTPPが登場するにおよんで、日本国民にも目に見える形で認識できるようになってきました。日本国民は、これを種々の制度改革を乗り越えて、国民意識を変革する好機の到来として受け止めるべきでしょう。換言すれば、これまでの戦国時代、幕末、大東亜戦争の国難を経験しても、種々の制度や表面的な国民意識は変わったものの、本質的な国民性は何も変わらなかった日本人が、今度ばかりは、その国民性の変革にまで辿り着いたものであります。これこそが、日本人の島国根性や役人根性を超克し、打破する最後の機会であると思っております。(おわり)
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