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2011-02-22 00:00
中東の民主化運動の波及拡大と中国、日本の対応
吉田 重信
中国研究家
中東での民主化運動は、中国にも波及する兆しがでてきた。これは、さらに重大な世界史的動きに発展する可能性がある。当面、中国政権は、国内のメディアへの規制や民衆デモの取締りを強化するなどによって、波及を食い止めるべく、戦々恐々としているようだ。台湾の馬総統(国民党)や民進党蔡主席でさえも、中東の民主化運動に関連して、「中国の民主化」を求める声明を発表した。このような、いわば身内である台湾側の動きは、中国政権の核心的弱点を突くものであるだけに、さぞや身にこたえるに違いない。
この局面で、米国、日本、台湾、韓国政府などが、事実上連携して「中国民衆の民主化運動を支持する」との声明を発表すればどうなるだろうか?中国政権の苦境は増し、一気に政権崩壊の危機に近づくだろう。
しかし、当面日本政府は、そうような効果的なカードを行使することは控えた方が賢明であると考える。なぜなら、日本はあえて中国が嫌がるようなカードを使わないことによって「中国に恩を売る」ことができるからである。そして、じっくりと期待しながら、中国政権の自己改革の動きを見守ることができる。
これに対し、中国の対日姿勢が軟化する多くの兆候が表れている。これらは中国政権が守勢に回っていることを示している。たとえば、中国側は、上野動物園へのパンダ「仙女」と「比力」の貸し出しによって、日本における「パンダ・ブーム」の再現をはかっている。人民日報が「日本からまだ学ぶことが多い」との社説を掲げた、また、次世代の有力指導者と目される李克強副首相の来日計画の動きもある。これらの事象は、日本にチャンスが到来したことを物語っている。このチャンスは、中東情勢の変化に伴い、中東における米国勢力が後退必至という情勢において、日本が独自の対中東政策を推進するという可能性をも含む。しかし、現下の日本の政権には、この絶好のチャンスを生かすことが期待できないのである。まことに残念である。
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