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2011-02-25 00:00
(連載)北方領土の「ロシア化」を許すな (1)
角田 勝彦
団体役員
2月11日にモスクワで行われた前原・ラブロフの日ロ外相会談に関連し、最近ロシアの北方領土「ロシア化」に関する攻勢が目立っている。我が国も中国等の関係国に対し「日本抜きの北方領土開発にその国の企業などが参加しないよう」申し入れる等の対抗措置をとるべきである。伊藤憲一氏が2月12日付けの本欄への寄稿「前原外相の訪ロの成果を高く評価する」で指摘したように、前原外相が「(北方四島は)国際法的にも歴史的にもわが国固有の領土」との主張を貫いたことは評価される。ロシアの平行線的強硬姿勢により日ロ対立が鮮明になり関係が悪化したこと及び経済協力推進などの成果が乏しかったことや前原外相の再会談開催提案が受け入れられなかったことはやむを得ない。拙速は禁物である。
ロシアは、昨年11月にメドベージェフ大統領が旧ソ連・ロシアの国家指導者として初めて国後島に足を踏み入れて以降、一気に対日攻勢を強めてきた。大統領自身が北方四島は「全てロシア領」と公言して、インフラ整備を指示し、軍備の再強化(北方領土への対空ミサイル配備やミストラル級強襲揚陸艦2隻を近海に配備の報道もある)と合わせて徹底的な「ロシア化」を進める考えを示している。最近はプーチン首相の訪問も噂され、北方領土住民と日本側の交流を支えてきた「ビザなし交流」への影響も懸念されている。また中韓両国の業者との共同事業としての北方領土開発計画が取りざたされている。
北方四島の軍備を再強化するにいたっては、ロシアは武力による紛争の解決も考えているのかと呆れるばかりであるが、中韓両国の業者との北方領土開発計画は黙視できない。ラブロフ外相は前原外相との会談後の記者会見で「中韓企業の四島進出を歓迎する」と表明した。前原外相はその場で「北方領土への他国による投資は、わが国の立場と全く相いれない」と反発した。その後も、例えば2月18日の記者会見で、「中国や韓国の企業がさまざまな国と協力してビジネスするのは自由だ。ただ北方領土はわが国固有の領土だ。法的立場から考えると、ロシア企業との協力関係は相いれない」と表明している。
しかし、具体的進展があるようである。15日に中国・大連の水産会社と国後島の地元企業との間でナマコ養殖の合弁事業開始の合意が明らかになったほか、16日にはロシア漁業庁のサベリエフ広報官が、色丹島で中国の水産会社が地元企業とホタテ養殖の合弁会社設立を計画していることを明らかにした。同氏によると、現在中国と韓国の複数の企業が北方四島での水産物加工や養殖、工場への水産加工機器納入、船舶修理工場設立などを計画している。企業名は明かさなかったが、中国・大連だけでも3つの企業が4島への進出を検討している由である。(つづく)
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