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2011-02-26 00:00
(連載)北方領土の「ロシア化」を許すな (2)
角田 勝彦
団体役員
前原外相は、韓国には、来日した韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相との2月16日夜の会談で、韓国企業が北方領土での事業参加に関心を示していることなどを念頭に、「北方領土は日本固有の領土である」との立場を強調し、「第三国による北方領土への投資は、ロシアの管轄権を認めることになる」として、自制を促したとされるが、中国に関しては、日中両国の外務省が「事実関係が確認できていない」と繰り返している状況である。
ロシアは攻勢を強めている。米国務省と在ロシア米大使館がロシアに対する日本の北方領土問題の要求を支持する見解を発表したとして、ロシア外務省は2月21日、駐ロ米国大使を同省に呼び、ボロダフキン外務次官が北方領土(南クリル)におけるロシアの主権に関する「原則的で不変の立場」を表明したとされる。我が国も時機を失せず対応すべきである。とくに中国への要請が重要である。
そもそも「四島は日本領」が、中国の原則的立場だった。それが「不介入」に転換し、さらに昨年9月下旬、メドベージェフ大統領が訪中し、胡錦濤国家主席と両国関係の全面的発展に関する声明と「第二次大戦終結65周年に関する声明」の2つの共同声明に調印して以来、疑問が生まれたのである。後者で、中ロ両国は、「第二次大戦の歴史の改竄」を非難し「国連憲章およびその他の国際文書の第二次大戦に対する決定を改変することは許さない」としている。旧ソ連の北方領土不法占拠を、中国側が支持したとも解釈される。この共同声明の約1カ月後、メドベージェフ大統領は国後島を初訪問(菅直人首相は「許し難い暴挙」と非難)し、ロシアの四島実効支配強化の動きが始まったのである。
現在、尖閣事件の反省や中東で始まった民主化運動の影響への懸念から、中国政府も慎重な行動へ傾斜しているようである。中国国内には四島への投資支持の声が多いとされるが、さほどの権益でもあるまい。我が国は、韓国に対すると同様、中国に対しても、毅然とした申入れを行うべきであろう。また北方領土への投資を行う第3国企業には、我が国としてしかるべき不利益を蒙らせるなどの警告を与えることも必要であろう。(おわり)
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