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2011-03-15 00:00
(連載)危機にあたり臨時増税より特別公債発行を (1)
角田 勝彦
団体役員
3月11日午後の東北地方太平洋沖地震(我が国史上最大のM9.0)発生以来、救出対象被災者の生死を分ける時間とされる72時間が過ぎた。警察庁の15日午前0時現在のまとめによると、死者は1897人、行方不明者を合わせると4899人に達した。負傷者は1885人に上った。安否確認ができない住民は、宮城、岩手両県などで数万人に拡大しており、福島県を加えた東北を中心に、犠牲者は空前の規模となる可能性が高まった。謹んでご冥福をお祈りし、一刻も早い救出を祈願する。
雪模様の寒さのなか、宮城、岩手など6県で、52万人以上となった避難者が水、食料、燃料などの不足に苦しんでいる。時間がたつごとに犠牲者数が増えることが予想される。しかし、二次災害の危険はまだ大きい。気象庁は東北の太平洋沿岸に出していた津波注意報は全面解除したが、14日に至っても、3日以内にM7.0以上(震度5強以上)の余震が発生する確率は40%、その後3日間で20%と発表している。福島原発の爆発事故のような不測の展開もあった。ボランティアなどの善意や熱意だけではどうしようもないことがある。節電や救援物資を募る善意の「チェーンメール」が混乱を招いた例すらある。義援金程度の支援をして、現場は、もうしばらく専門的な知識を持つプロ集団(警察や災害派遣10万人態勢の自衛隊を含む)にお願いしたほうが良いだろう。
有り難いことに14日午後5時現在,94の国・地域及び9国際機関から支援の申し入れがあり、十数カ国の救助隊の来日支援もある。被災者を始め日本国民の節度有る態度や思いやりは、各国の賞賛も得ている。12日、政府は東日本大震災を「激甚災害」と指定する政令を閣議決定した。14日には被災者向け緊急救援物資の経費として、平成22年度予算の予備費(残額約2000億円)のうち、約301億5千万円を充てることを決めた。もちろん、これは手始めである。
野田財務相は11日、緊急会見し「財政が制約となって災害対策に滞りが出ることはあってはならない」と語り、予算関連法案をめぐって対立する野党からも協力を得て、復旧対策の財源確保に全力を挙げる考えを示した。13日午後、菅首相と自民党の谷垣総裁は会談し、東日本大震災の復興支援財源を確保するための協力を話し合った。首相が希望した2011年度予算案や公債発行特例法案などの年度内成立(次いで復興支援の補正予算)は結論が出なかったが、この緊急事態を前に、政局問題は二次的意義しか持たなくなったのは明らかである。14日、4月の統一地方選を延期する臨時特例法案制定に関し与野党は一致(地域は今後調整)した。(つづく)
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