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2011-03-21 00:00
今後の国土復興再建計画は、オランダの例にならえ
吉田 重信
中国研究家
今回の東北大地震による災害の大部分は、大津波によるものであった。この事実を考えれば、今後、わが国の国土復興再建計画の方向が自ずからみえてくる。これまでのような、海上に突き出た申し訳ていどの堤防では、大津波対策としては不十分である。
すべての海岸線に沿って、堅固な「お土井」(京都で豊臣秀吉の命により作られた六メートル以上の高さの土堤)に似た護岸施設と運河を含む河川工事が不可欠である。このためには、「愚公移山」の故事にならった「国家百年の計」が必要となる。
この点で、かつて筆者が勤務したことのある、オランダの国つくりのモデルが参考になる。オランダは別名が Netherlands(低地国)とされ、国土の大半が海抜以下に位置する国である。この致命的なハンディギャップを克服するため、オランダの官民は、数百年にわたる辛苦な努力を通じて、海岸線に Duin と呼ばれる十分な高さの堅牢な堤防施設と運河を含む河川施設を構築して、国家安全を保っている。
また、国土全体に風車を構築するとともに、自転車道路をはり巡らすなどによって、省エネ対策も講じてきた。長期的なエネルギー対策としては、北海海底の天然ガス田の開発に努め、また、原発対策では、かつて2基あった原発の1基をすでに閉鎖し、残りの1基は、2033年まで期限を限って運行している。わが国政府は、長期的な視点に立って、国土安全対策と、東シナ海の油田開発計画を含め、エネルギー政策の策定を求められている。
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