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2011-03-23 00:00
日本が英米仏のリビア軍事介入を支持する理由はなにか?
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
松本外相が、英米仏のリビア軍事介入支持を表明したそうですが、ドイツ・ロシア・中国・ブラジルなどが国連決議を棄権している中で、何故日本が直ちに支持表明したのか、菅総理から日本国民に説明をしてほしいと思います。リビア情勢は、よくわかりませんが、チュニジア、エジプトなどとは異なり、武力を持った反政府活動にカダフィ大佐が反撃しているように見えます。
かつて米国がイラクのフセイン政権を攻撃したときには、イラクにはクエートに武力侵攻した事実があり、国内でクルド人抑圧に化学兵器を使用するなどの前科がはっきりしていました。核保有は偽情報であったとしても、イスラエルがイラクを恐れていた(現に、イスラエルはイラクの原子力施設に先制攻撃をしていました)という要因もありました。欧米にとって違和感のあったカダフィ政権が、専制政治であるだけで「悪」と決めつけるのは、なぜか納得が行きません。
一般に、武力をもって時の政府打倒に向かえば、反撃されるのは当たり前でしょう。まして反政府勢力が外国の多国籍軍の攻撃を歓迎しているのは、内戦時に外部からの内政干渉を求めるようなもので、リビア国民からみれば「売国奴」にすらあたるのではないでしょうか。仮に、日本でも、デモ行進などの意思表示は自由ですが、もし一部勢力が2・26事件のように、銃器や武力を持って倒閣運動をしたら、自衛隊・警察で取り締まってほしいと思います。
日本が、カダフィ大佐の人権抑圧に対し、抗議する申し入れを再三してきたのに、カダフィ大佐が受け入れなかったのならともかく、日本がリビアに対してこれまで何もしていないのに、勝手に英・仏を支持するのなら、その理由を日本国民に教えてほしいのです。米国ですら、今回の攻撃には積極的ではなかったとの報道もあります。リビアが、専制国家なるがゆえに軍事介入を許されるのであるなら、北朝鮮の方が、もっと自国民を抑圧している悲惨な国のように見えます。丸腰の市民を銃撃するような政府を放置することはできません。何らかの手立ては必要です。また、リビアが他国を攻撃したのであれば、多国籍軍の攻撃も必要です。しかし、今のリビアの状況は、そうではないと思います。国連決議があったことは考慮する1つの要因ではありますが、それだけでは「日本政府は自分では考えていません」と言っているようなものではないでしょうか。
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