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2011-03-24 00:00
今次災害に学び「モデルタウン」を構築しよう
松井 啓
無職(元駐カザフスタン大使)
東北の諸都市が壊滅的な打撃を受けた地震、津波と原発事故を機会に、40年先(2050年)を見越した新しい町を構築することを提案して、ご批判を仰ぎたい。この大震災が食糧・資源・エネルギ―不足、環境汚染等のグローバルな問題解決のための転換点にもなればと希望している。まず、今次災害の教訓は、災害に虚弱な地域に人口が集中していたため、生命・財産に対する被害が甚大となったこと、通信システム(電話、TV、ラジオ、域内放送、警報装置)や物流システム(道路・鉄道、公共交通システム等)の機能不全のため、復旧作業が寸断され、非常に困難となったこと、市役所等の司令塔が崩壊したため、行政組織が機能不全となり、食糧、水、燃料等の入手が立ち遅れたこと、などである。次に、日本の地方村落の一般的な問題として、日本全体の老齢化による極限集落の増加、公共交通サービスの縮小による買い物難民、医療難民、孤独住、孤独死の増加の問題がある。
このような二つの課題に対処するには、日本人の生活様式全体を基本的に見直す必要がある。第一に、資源を浪費する生活スタイルを改め、量と速度優先から質と人間性優先へと生活様式を転換する必要がある。次に、日本国民全体の安心・安全・快適確保のために、共通の幸福を追求することに合意し、自力自助の精神を復活させ、国民の一人一人が負担を分かち合うことを覚悟することである。
第二には、道路交通網の新システム、公共施設の電化(緊急時発電機の付設)、電化の推進と電気自動車の普及(ガソリンや軽油の配送が不要となる)、そのための安全な原子力発電の推進(石油依存度を抜本的に縮減する必要があるが、日本の自然環境では風、波、太陽を原動力とする発電は困難)、その対価としての高い電気料金と発電所立地条件整備と補償(立退料等)についての国民的合意が必要となる。更には、土地所有のあり方(国が所有し、国民は借地する)も検討する必要があろう。
以上の課題解決の具体的対策としては次のようなものが考えられる。省エネ(開店日、開店時間の縮小、照明の限定)。災害時の最後の橋頭保となる公共施設の堅牢化、高度立地化。コミュニティ内の助け合いシステムの整備とライフラインの完備。極限集落居住者(特に高齢者)の集団化。老齢層に対するパソコンの教習・普及。飲料水と生活用水(トイレ、風呂、洗車用の水は飲めなくとも良い)の仕分け。市街地道路のシステム化(水道、ガス、電話、電気等の配管・配線の集中管理)。必要物資の配送・ごみ収集等のサービス道路の整備。歩行者道路と自転車道路の分離。バス・市電路等の幹線道路の仕分け・増設。必ず町の一角に公園(林と水辺)と広場(駄々広い草原)を設け、雨音、水の流れ、雲や風の流れを感じ、子供たちが電子ゲームを離れ自然との共生を体感できる場を提供し、希望者には郊外に菜園や別荘をレンタルする。
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