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2011-03-26 00:00
やはり菅政権に日本復興は任せられない
山田 光彦
元総合商社役員
3月23日付けの本欄への投稿で、吉田重信氏は「菅政権は国政全般にわたりよくやっている」として、21日付けの私の投稿「目に余る菅政権の無能・無策」を批判された。吉田重信氏と私とでは、多分信条や支持政党の違いがあるのだろうが、どう見ても「菅政権が国政全般をよく処理している」との説は、客観的に支持しがたい。菅首相自身が、もし「自分はよくやっている」と本当に考えていたのであれば、救国政権確立という名目で谷垣自民党総裁を復興担当副首相に釣ろうという思考行動様式は出て来ず、政策協力の提案で終わっていた筈である。
3年前に、小澤一郎氏は「民主党には政権担当能力が無い」と公言して、福田自民党との大連立の実現に向けて動いたが、その時点と比べて、その後急速に民主党が人材と政権運営能力を身に着けたとは、今の小澤一郎氏は無論の事、菅首相自身も信じてはいまい。もし信じているのならば、非常時の現下で政権維持の為に政局をもてあそんだ訳であり、リーダー失格である。大震災と原発危機という戦後最大の非常時における日本のリーダーは、国民にその進路を示す visionary leader であらねばならない。
然るに、菅政権の3月12日以降の行動は、政権維持の為のパフォーマンス、アリバイ造り、責任転嫁に終始しており、当事者意識も能力も感じられない。現状のままだと、東北の過疎化と物流不足の悪循環は昂進するばかりである。これでは、復興はおろか、復旧も覚束ない。被災地のライフライン確立を非常時施策として第一に実現させた後、「禍を転じて福となす」抜本的な改革・発展のビジョンを早急に打ち出してほしい。日本人、とりわけ東北の人々の忍耐強い克己心と団結心を結集して、新しい国土造りの夢を打ち出してほしい。
原発危機に関して、菅首相は東電だけを悪者にしているが、それは責任転嫁である。他原発の操業継続可能性と日本のエネルギー総合政策をどうするかの大所高所からのビジョンをこそ発信してほしい。3号炉で、他原子炉と異なる中性子線を出す厄介なMOX燃料を昨年10月から燃焼させていた事実を公表せずに、事象の悪化を小出しに発表するから、電気系統破損による制御不能の事実を知った米英仏等の原発先進国政府は、菅政権、さらには東電の、当事者能力に不信を持たれて、最悪の危険度を前提とした日本からの退避勧告を出されてしまったのである。先を読めない事後対応策に終始しているから、かえって疑心を深め、風評を広げ、パニックを惹起するのである。この様なパッチワークしかできない民主党政権に、日本の復興は任せられない。 自民党体制打破だけの目的で、国家感も国家像も無く、バラマキの選挙詐欺に未だに固執している菅政権に、日本の復興を任すべきではないと重ねて主張したい。
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