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2006-08-18 00:00
麻生外相よ、自民党総裁選で安保理常任理入りを訴えよ
吉田康彦
大阪経済法科大学客員教授
来月20日の自民党総裁選は安倍晋三官房長官当確で「消化試合」の様相を呈しているが、せめて活発な政策論議を展開して欲しい。外交案件では、小泉首相の靖国参拝で冷却化した日中・日韓関係改善が話題になっている程度だが、せめて麻生外相には、日本の国連安保理常任理事国入りを強く訴えて、国民の関心を呼び起こしてもらいたいものだ。
先月の北朝鮮のミサイル発射に際して、電光石火の早さで安保理に提訴、制裁決議案を起草、関係国の支持をとりつけて中国を追い込み、最終的に比較的強い調子の非難決議案採択にまで漕ぎつけられたのは、一にも二にも日本が非常任理事国として安保理の議席を占めていたからだ。
その2年の任期も今年いっぱいで終了し、次に順番が回ってくるのは数年後になる。もし常任理事国なら、たとえ拒否権が与えられていなくても、公式・非公式のあらゆる協議の場にいられるわけで、国際関係に影響力を行使し、日本のプレゼンスを高める上で大いにプラスとなる。日本は、米国に次ぐ第2位の分担金負担国、ODA(政府開発援助)総額、PKO(平和維持活動)への貢献などでも十分に常任理事国としての資格を有しており、昨年の試みの挫折にひるまず、たえず訴え続ける必要がある。
麻生外相はミサイル発射をめぐる国連外交の展開で自信を深めたようで、『中央公論』9月号でその心境を吐露しているが、総裁選に臨む政策の柱としてぜひ常任理入り実現を掲げ、大いに手腕を発揮して欲しい。安倍晋三氏の話題の書『美しい国へ』(文春新書)にはひと言もこの問題が登場しないのは遺憾に堪えない。
老婆心ながら、常任理入りには米国のみならず、常任理事国である中国の賛成が不可欠であり、昨年の立候補の試みでは中国の猛反対で腰砕けになったことを付言しておく。
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