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2011-04-15 00:00
(連載)復興のビジョン策定は、拙速を避けるべし(1)
角田 勝彦
団体役員
菅首相の私的諮問機関「東日本大震災復興構想会議」が、4月14日に初会合を開いた。緊急に実施する内容に関する第1次提言を6月末をメドに提出し、全体的な提言は年内にまとめる由である。これは、「1か月が経過して、人命救済、救援から復旧、復興へと歩みを進めていかなければならない」との菅首相の意向に沿ったものの由であるが、自民党のみならず民主党内でも菅降ろしの号砲が鳴ったかに見える現在、実務を担当する官の支援も乏しいまま、どれほどの成果を挙げられるかには疑問がある。
大震災が残した問題には、緊急の人命救済・救援を別にして、復旧と原発の処理及び日本の全体像にも影響する長期的復興がある。当初五百旗頭議長は復興ビジョンの対象から外す意向を示したとされるが、原発処理の問題は特別に検討されるべき課題だろう。原発被害による汚染の量と範囲が不明な段階では検討は困難だろう。
復旧(必ずしも原状回復を意味しない)は、避難民の苦労を考えても、できるだけ速やかに策定し、行うことが望ましいが、復興は、ビジョンの策定のみであっても、拙速を避けるべきである。少なくとも国会で与野党が一致することが必要であろう。対立が有れば、総選挙により国民の意思を問うことが妥当だろう。復興に要する経費を国民全体で負担することは問題ないにしても、負担のあり方については既に意見が分かれているのである。
さらに重要なのは、放射能関係のデマの流布である。日本政府が事故について「国際原子力事故評価尺度(INES)の評価でチェルノブイリ原発事故と同じ最悪のレベル7」としたことは、大きな反動を生んでいる。人の動きを見ても、3月の来日外国人は前年同月比で半減し、約30の国際会議が中止された。他方、国際原子力機関(IAEA)や、フランス、ロシアの専門家は、そろって「チェルノブイリとの同列視は間違いだ」としている。「放射性物質の拡散も、福島原発周辺の限られた地域にとどまり、欧州への影響もチェルノブイリ事故と比べれば無いと同じだ」としているのである。この関連で、天皇陛下ご一家が泰然と東京におられたことは、デマの鎮静化に役立った。(つづく)
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