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2011-04-21 00:00
震災復興は、増税ではなく、経済活性化で
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
4月16日閉幕したG20財務相会議において、対GDP比率で世界最大の財政赤字を抱えた上に、大震災の被災を受けた日本の動向が、世界経済に対する不確定要因として経済リスクに指摘されました。野田財務大臣は、財政健全化路線の継続によって対処する旨のべたそうです。ところが日本国内では、大手大新聞の論調も、菅政権も、野党自民党も、基本的には財政健全化とはすなわち、東北大震災からの復興を口実にした、消費税増税を含めた大増税路線に傾いています。
何故誰も経済成長路線を唱えないのでしょうか?日本のみならず、欧米諸国も含め、民主主義国と言われる国々は、いまどの国も財政赤字に苦しんでいます。今のところ世界で最も経済政策を巧みに進めているのは、民主主義国家とは認められていない中国です。民主主義の行き着く先は、経済成長が止まり、重税国家となり、国民の貯蓄はいつ返済されるかわからない赤字国債に吸収されてしまうということなのでしょうか。所得税累進性による所得平準化政策のもと、国民が資産=私有財産を蓄積できなくなってしまうのでしょうか。これが民主的資本主義の行きづまりでしょうか?
今回の震災復興対策の財源は、増税によるのではなく、国民経済の活性化によるべきです。日本の場合、震災復興のための財源捻出を理由に、まず歳出削減を一挙に進めるべきです。一般歳出から有効需要創出にあたらないものを、片端からカットすべきです。国会議員定数削減や議員歳費の削減。規制・管理事務のための省庁外局の予算停止や廃止。付加価値を生まない特殊法人なども予算配分差し止め。全国の公務員の人員削減。民間平均給与を凌駕する公務員給与の引き下げ。公務員の特権である終身雇用保障の廃止と退職金の削減。地方交付金も全般的に削減などです。
2011年度予算92兆円を、とにかく2割から3割カットするべきです。東北大地震の復興資金の必要性と比べれば、そうやたらに抵抗できる既得権集団はいないと思います。民間企業や国民は皆義捐金などをどんどん出していますが、公的機関からはいっさい出されていません。公務員も負担を受け入れるべきです。このような歳出カットに減税政策を組み合わせれば、経済活性化にはさらに効果的だと思います。そうやって政府借入れ枠を捻出して、復興資金を外部調達すれば、5年後、10年後までには経済も活性化し、今回借り入れた復興資金の返済も可能になると思います。その後には、財政健全化も比較的簡単に達成できるのでしょう。そのような国民経済の活性化によって税収増がもたらされてこそ、真の意味の財政赤字削減が達成されると考えます。この震災復興の機会を利用して、日本が「民主主義国家でも財政収支の均衡を達成できるのだ」というモデルを示すことができれば、世界の中で日本の評価はますます上がり、G20を指導してゆく国にもなれるはずです。震災復興を、今後の日本の財政健全化へ向けたチャンスにしようではありませんか。
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