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2011-04-21 00:00
福島原発放射線への反応は、冷静さを欠いていないか?
小山 清二
公務員
放射線問題が喧伝されているが、放射線、放射性物質、放射能などが混同して使われている嫌いがある。放射線には電磁波、X線、アルファ粒子、ベータ粒子、太陽光線、宇宙線などがあるが、放射線の量と人体への悪影響の関係は、比例関係ではない。一定量の放射線は健康によい場合もある、と海外では認められている。一定量とは、普通の10万倍と言われている。太陽光線がそうであるように、ある程度までは健康によいのであって、それを超えれば害になると言うものだ。これをホメオシス効果と言っている。その証拠に、放射線治療はガン細胞の消去に効果的であることが知られている。ラドン温泉も健康によいことが知られているし、世界の長寿地帯には放射線が充満しているところもある。
そもそも、放射線は、テレビ、携帯電話、飛行機、レントゲン写真撮影、温泉などをつうじて、日常生活でも放散されている。量の多少を問わず放射線が害毒ならば、これらから一切遠ざからなければならなくなると言うものだ。それに、ロシアのチェノブイリ発電所の原子炉は黒鉛炉で、炉心が爆発すれな一気に大量の放射線が拡散する欠陥原子炉であったが、日本の原子炉は沸騰型の軽水炉で、構造的にはなんら欠陥はないものだ。たまたま30数年前の米国スリーマイル島での事故は、バルブの締め忘れという人為的な事故(マニュアル通りにしなかった事故)であったが、この事故のため米国で原子力発電所建設にブレーキが掛かって、GEから日本に売りつけられたのが、今回の福島原発だった。亀裂が入りやすいなどの欠陥があることは、当初から分かっていたことだった。
それでも、河川などから冷却水を導入するなどして、内陸河川に近いところに立地させればよかったのだが、米国と異なって日本には豊富な水の存在する河川は少なく、海岸に立地させざるを得なかった。米国の指導の下に、地震対策しか想定せず、岩盤上を選んで建設したが、大規模な津波があることまでは想定外であったようだ。特に今回は、869年に起きた貞観地震以来の1000年に一度の大地震であり、今更どうしようもなく、これには、原発だけでなく、鉄道、道路、港湾、家屋、自動車などの全てが崩壊し、無傷では有り得なかった次第である。今後、原発付近で放射線の漏洩が社会的な問題になっていくことが予想されるが、「関東全体、東日本全体がチェルノブイリ化する」などの言説や多くの魚介類、野菜などを廃棄するなどの措置は、明らかに行き過ぎだ。ただ、これを契機に、原子力などを見直して、新しい革新技術を世に出していく好機になればと思っている。
既に色んなところで紹介しているが、放射性物質を除去、消去する特異な物質ないし水とか、電力も原油も不要な未知のエネルギー粒子によるモータ兼発電装置も浮上している。これらの技術が世に出るためには、政財官のエネルギー利権構造が崩壊し、国民自身も贅沢三昧にならないような意識変革が必要と思っている。東北地方が大打撃を受けて大変なことは承知しているが、まだまだ西日本の原子力企業は安泰である。なによりも、代替エネルギーが原子力に取って代わるまでは、一気に原子力廃絶などという方向に進むものではない。ましてや、米仏という2大原発大国だけでなく、BRICsなどを始めとする発展途上国も、原子力推進にブレーキが掛かっているものではない。これからしても、新エネルギー技術を浮上させるためには、各種の困難や障害が予想される。新技術は、地震被害者や安全追究の消費者からは歓迎もされるが、既存のエネルギー利権関係者からは邪魔者視されるし、他の好奇心旺盛な業界、国家からは盗用されるしかないだろう。その意味でも,革新技術の普及は容易ではない。
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