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2006-08-25 00:00
バランスの取れた正確な報道を
田久保忠衛
杏林大学客員教授
イスラエル軍がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを攻撃した事件は国連の停戦決議成立でひとまず収まったかに見える。どちらがいいか、悪いかは論者の立場によって異なるのは当然だが、米国そして日本のマスメディアにはイスラエルとそれを支持する米国に批判的で、ヒズボラの「善戦」を称える調子の記事が少なくないと思う。
米国のマスメディアのうち一つを例に挙げると、週刊誌『タイム』8月21~28日号だ。ヒズボラの指導者ナスララを3頁にわたり、写真を3葉も使って紹介しているのだが、その見出しは「本当のナスララ-ベイルートのスラム街で生まれた子供が、イスラム世界における最も魅力的で、危険な指導者の一人になったいきさつ」である。本文には、この人物がどれだけ「危険」かは触れられておらず、貧困から身を起こし、イラン革命の指導者だった故ホメイニ師の信者になり、ヒズボラのリーダーとしていかに英雄的な行動をしたかを詳述している。
ヒズボラは、1982年のイスラエルによるレバノン侵攻に反対した人々を集めた運動で、当初はイランに支援された少数のシーア派の人々が音頭を取っていた。あと次第に多様な世俗的、宗教的目的を持つ広範な人々をかかえる組織になって、現在に至っている。
問題は、そのヒズボラがイランとシリアの直接、間接の支援を受け、レバノンという国家の中のあたかも「国家」のように振る舞い、レバノン領内からイスラエルに対してミサイルを発射するようになったのだから、穏やかではない。比較をするのは必ずしも当を得ないが、北朝鮮が韓国内の基地から日本を目標にミサイルを発射するに至ったら、日本はどう対応するだろうか。他に具体例は挙げないが、メディアはバランスを取って正確な報道をしなければいけない。
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