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2011-04-30 00:00
民主党は目を覚まして国難に対処せよ
田島 高志
団体役員、元外交官
日本が未曾有の大震災と原発事故という厳しい国難に直面している現在、政権与党を担う民主党内部が自党の責任と義務の重要さに全く自覚を欠くような現状を見ると、実に慨嘆に耐えない。特に小沢一郎元代表支持派が菅総理引き降ろしを画策する姿は、自己反省に欠けた醜いものであり、国の恥でもある。そもそも地方選挙や世論調査で民主党支持が大きく減退しているのは、菅総理だけに理由があるからではない。主たる理由は、民主党が政権をとって以来の民主党の政権運営全般に対し、国民が大きく失望を感じているからである。中でも最も大きな理由は、国家の基本たる安全保障問題に対する鳩山前総理の無知のため日米同盟関係が危機に陥ったことに、国民が驚き唖然としたこと、さらに小沢元代表と鳩山前総理の二人ともが政治と金の問題に関わる自己自身の言動に対して誠実さと責任感に大きく欠けていること、加えて民主党のマニフェストの内容が実現不可能なものに満ちているにも拘らず、十分な反省の色が見えないことの三点なのである。
現在日本は一大国難に直面しており、それは日本一国の問題ではなく、世界に影響を与える深刻な問題である。世界中の人々が日本の一日も早い復旧と復興を念願し、激励しつつ、同時に厳しく注目している。このような国難を克服するには与野党が結束し、全国の官民が結束して、最大限の努力を払うべきは当然である。ところが、与野党が結束できないばかりか、与党たる民主党の中が分裂して、菅総理の足を引っ張っている。このような情況で復旧、復興が円滑に効率よく進むことが可能であろうか。
菅総理は総理としての決断力と指導力に欠けているとの指摘がある。しかし、菅総理は民主党自身が党首に選出し、総理に就任させたのである。平時は別として、突然発生した今の緊急事態には、政局をもてあそび政治の空白をつくる余裕は一刻もないのであるから、党内結束して現総理を補佐し、与党としての義務と責任を果すよう最善をつくす以外に、当面の選択肢はないと判断すべきである。それを逆に党首であり、総理である仲間を降ろそうとする姿は、真に醜いものであり、世界の嘲笑を買い、日本への信頼と尊敬心を失わせるものである。
最後にマスコミにも注文したい。民主党内のこのような様相をただ取材報道するだけでなく、それを鋭く批判し、与党が結束して国難に対処すべく、より厳しい注文と論陣を張るべきではなかろうか。
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