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2011-05-05 00:00
日本と中国を両てんびんにかける米政府
吉田 重信
日中関係研究所主幹
米国政府部内でやりとりされた公電の内容が、内部告発サイト「ウィキリークス」を通じて最近露呈された。それによれば、次のような注目すべき事実が明らかにされた。すなわち、鳩山首相が中国を訪問した際に、同首相は中国側に「日本は米国に依存しすぎてきた」と述べたという。また、この鳩山発言について、キャンベル米国務次官補は、民主党の長島防衛政務官に対し、「(このような発言は)日米関係に危機をもたらす」として「警告」するとともに、「米政府が『日本より中国にもっと関心を向けたい』と公表したら、日本はどう反応するか、想像してほしい」とも語ったという。
また、別の公電によれば、沖縄基地問題に関して、名護市への移転を求める米政府代表団に対し、日本側の一人は逆に「米領グァムに移設できないか」と打診し、これに対し米側は「劇的に増大している中国の軍事力から日本を防衛するには、米軍が沖縄に駐留しなければならない」と「ぶっきらぼうに」に答えたとされている。
これらの「ウィキイリークス」情報で明らかになったことは、微妙な日米中三角形関係にかかわる、次のような米政府の意向である。すなわち、米政府は、中国と日本を両てんびんにかけながら、一方で「日本を守ってやるから、言うことを聞け」とばかりに恩着せがましい脅しを日本にかけているとともに、他方で、恐らく中国に対しては、1971-72年に訪中したニクソン・キッシンジャーの二人組と同じように、「米国は、中国の安全のために日本の核武装を抑えてやっているのだ」と述べていることである。
米国務省の局長・課長クラスごときが、日本の対米、対中政策を牛耳っていることが分かる。これは、日本を馬鹿にしたような先日のメア国務相元日本部長の発言とも符節が一致している。日米関係は、日本が戦争で米国に負けた事実は認めるにしても、米側の「占領者意識」と日本側の「被占領者意識」からそろそろ卒業してほしいものである。
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