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2011-05-27 00:00
どこへ行った「官僚たちの夏」
河東 哲夫
元外交官
「官僚たちの夏」という小説があった。通産省のバンカラな官僚たちが、高度成長に入ろうとする時代の日本で、何かの(もう何だったか忘れた)改革法案を作り上げ、政府の政策として認めさせていくプロセスを、ロマンたっぷりに描く。私心のない豪快な連中が出てくるので面白いのだ。官僚と言っても、江戸時代ならサムライだから。
その後も、通産省と言えばアイデア官庁。カネはなくとも、アイデアで他の省庁の領域にまで平気で口をはさみ、権限と予算をとって、アイデアを実現していった。まだ決まる前からぽんぽんと新聞にアイデアをリークしては、世論を味方につけ、大蔵省に圧力を加えていった。あの頃の新聞一面は、そのような海のものとも、山のものともつかない、しかし夢のあるアイデアに満ちていた。
それが、自民党末期の頃から経済産業省は静かになってしまった。さびしいことだ。なぜだろう?今度の原発についても、僕の友人たちの殆どは全面的廃棄を求めている。それなのに、エネルギー計画を作った張本人である経済産業省は、福島原発の問題では、後ろに下がったまま、浜岡原発停止だけですまそうとしているようだ。
さびしいことだ。経済産業省がその気にならないと、日本のエネルギー政策は変わらない。「当面は石炭発電で、電力の多くを賄う」くらいの提案をしてみたらどうだ。ひょっとすると、原発よりコストが低いかもしれない。
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