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2011-06-30 00:00
(連載)第1回「米中アジア・太平洋協議」と日本(3)
角田 勝彦
団体役員
我が国の場合問題になるのは、南シナ海ではなく、東シナ海であるが、中国の軍事的行動などに冷静に対応することが必要である。3・11以後、日中関係は好転している。中国国民の多くの同情と支援の表明に加え、中国指導部は東日本大震災を機に対日関係の改善を進める方針と見られる。5月、温家宝首相は日中韓3カ国首脳会談のため来日し、福島でトマトをほおばるなど、友好のパフォーマンスを行った。6月19日付け中国各紙は、温家宝首相がその際に出会った福島県郡山市の小学6年の女子児童からの手紙に返信したことを、破格の扱いで報じた。
鳩山前首相により混乱した日米関係も「トモダチ作戦」が象徴するように改善している。4年ぶりの2プラス2では、沖縄の強い反発を念頭に、当初目標の「2014年までの移設」を断念し、期限をあいまいにしたばかりの普天間飛行場移設について、米側(クリントン国務長官とゲーツ国防長官)から「1年で具体的な進展」を要求されるという、少し無理な釘も刺されたが、新たな「共通戦略目標」を策定し、日米同盟の深化と拡大を確認する進展があった。クリントン長官は「尖閣諸島に日本への防衛義務を定めた日米安保条約5条が適用されるとの米国の立場を改めて確認する」と述べた。
我が国として国防面では宮古島や尖閣諸島を含む先島諸島などの南西地域の防衛強化など具体的措置を粛々ととっていくのはもちろん、外交面でも、2プラス2の共同声明の通り、中国に対し「国際的な行動規範の順守を促す」「軍事近代化と活動の透明性を求める」ことを要求していくべきではある。菅首相とインドネシアのユドヨノ大統領は6月17日、東京で会談し、マラッカ海峡や南シナ海などにおける海賊対策や安全保障の問題での協力を一層強めていくことで一致したが、関係国との共同作戦も必要だろう。
しかし、米中関係の基本が協議であり、対決ではないことを認識し、中国へ対話の継続と深化を求める努力をおろそかにしてはならない。とくに、菅首相の去就をめぐる政局の混迷で「一体、だれと話したらいいかわからない」(中国外務省高官)という外交不在が危惧される現在、たとえば平成20年6月、日中両政府が合意したガス田問題などでの対話を申し入れてはどうだろうか。(おわり)
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