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2011-08-01 00:00
日本はその「太平洋外交」を打ち出せ
松井 啓
元駐カザフスタン大使
日本は海洋国家である。江戸時代に鎖国するまでは、大洋に向かって開かれた国家であった。現在陸地面積では38万平方キロで世界の60位であるが、領海と排他的経済水域(EEZ)の合計面積では447万平方キロで、米、豪、インドネシア、NZ、加に次ぎ世界第6位の海洋国家である。日清戦争、日露戦争、太平洋戦争ではともに海洋が重要な意義を持っていた。天然資源小国の日本にとっては、海底資源開発の観点からも海洋の重要性が再浮上してきている。
ロシアはオホーツク海を自国の内海と捉え、そこへの出入りを扼する位置にある北方領土の重要性を再認識しており、また近接海底資源開発にも注目している。韓国は日本との「領土問題」をプレイアップし、中国は海軍力を増強させて、日本のみかアセアン諸国とも「領海問題」で強硬姿勢を見せている。アメリカは中国を牽制すべく、この海域での航行の自由を声高に提唱している。
このような状況を見れば、今が日本から「太平洋外交」を打ち出す好機であると思われる。日本の本音は、中国の海洋拡大の牽制であり、フィリピン、ベトナム等アセアン諸国にとって異があろうはずはなく、アメリカも支持してくれるだろう。表向きは「太平洋の平和・安全・協力フォーラム」を構築するとの名目で、この海域の中心に位置する日本(の例えば沖縄)で国際会議を開き、航行の安全と自由の確保、海賊対策、海洋汚染防止、水産物資源保全(サケ、マグロ、ウナギ等)、渡り鳥保護、台風・地震・津波情報交換、海難救助、軍事演習事前通報等多岐にわたる問題を議論することから始めてはどうだろうか。
日本はワシントン海軍軍縮条約(1933年)で主要艦隊の比率を英米各5に対して3に制約されたが、日・中・露・米間で同様な協議を行うように誘導して行っては、どうだろうか。
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