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2011-09-08 00:00
(連載)日中韓FTAではなく、日台経済連携強化を(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
中国商務省の孫元江・国際局副局長は、9月5日に北京で開かれた日中経済協会訪中代表団との会合で、日中韓FTAに関する正式交渉の準備作業を行いたい旨の発言をしている。
日中韓FTAは、言葉は悪いが、「悪霊の徘徊」のようなものであるとさえ言える。日中韓FTAの枠組みは、畢竟は、中国を中心とする経済連携強化であ る。米国は、日中韓FTAに神経をとがらせており、この問題では日本に対して強い不信感を抱いている。米国は、アジア太平洋地域において中国の強い影響下で経済統合が進むことに反対だからである。また、仮に、日本が日中韓FTAに邁進するようなことがあれば、それは、アジア太平洋諸国に、日本が中国に屈服 したというイメージを与え、とりわけ東南アジア諸国の間に、一種のフィンランダイゼーションを起こしかねない。
ところで、FTAというからには、あらゆる品目について、関税も数量制限も撤廃されるのが筋だが、中国がレアアースのような戦略的資源をも含めて完全に自由化するとも思えないし、結局、日中韓FTAは画餅であるということになる。そうでありながら、これに積極的に関与することで、我が国の立場を損ねると言う意味で「悪霊の徘徊」と表現したいのである。
確かに、中国の巨大な市場が、日本企業にとって魅力的であることは事実であろう。しかし、それならば、日台経済連携強化を進める方が遥かに良い。来日中の台湾行政院経済建設委員会の劉憶如主任委員(大臣に相当)は、台湾に日本の中小企業向けの工業団地を整備する方針を表明している。具体的には、行政手続きの簡素化や、従業員の現地における生活を支援する体制の整備などを行うとのことである。台湾が日本企業を誘致するのは、もちろん、台湾の国益を考えてのことであり、日本からの先端技術の移転や、台湾の雇用改善などをもくろんでのことであるが、日本にとっても悪い話ではない。(つづく)
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