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2011-09-09 00:00
(連載)日中韓FTAではなく、日台経済連携強化を(2)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
劉憶如主任委員は、日本企業が台湾に進出するメリットについて、17%という法人税率の低さや、中国市場をはじめとするアジア市場への進出を目指した日台企業の協力を挙げている。中台間には、中台経済協力枠組み協定(ECFA)がある。これは、事実上の中台間のFTAである。したがって、日本企業が中国に進出したければ、台湾に現地法人を作れば中国市場への進出が容易になるというわけである。
ECFAには、台湾国内でも、中国が台湾を経済的に取り込む企てであるという批判がある。商売と政治は別物であって、ECFAが直ちに中国による台湾の併吞に繋がるとは思わないが、日本が台湾と経済的連携を強化することで、台湾を孤立無援の状態に置かないという重要な効果がある。そして、日台の経済連携強化が、台湾のアジアにおける経済的プレゼンス向上のきっかけとなれば、台湾にとっても都合のよいことであるし、ひいては、我が国にとっても好ましい国際 政治経済環境を作り出すことになる。
したがって、日中韓FTAなどというものからは早急に手を引き、台湾との経済連携強化に目を向けるべきである。当然、日台FTAをも視野に入れるべきであろう。
ただ、日本企業の台湾への進出が活発になることは、日本経済の空洞化に繋がる懸念がある。現在のような著しい円高のもとでは、なかなか実効性のある対策は打ち出せないであろうが、法人税率の引き下げにより日本企業の急激な海外移転を緩和したり、制度面での簡素化などを通じて、外国企業が我が国への進出をしやすくすることで、経済の空洞化を少しでも押しとどめるよう努める必要はある。(おわり)
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