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2011-09-23 00:00
日本はパレスチナの国連加盟申請に賛成すべき
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
パレスチナ自治政府の国連加盟問題に関して、米国が拒否権を発動してまで反対する理由がわかりません。オバマ大統領の演説からすれば、パレスチナの国連加盟を認めると、イスラエルは一層態度を硬化させ、強硬路線に走り、対話による平和を遠ざけるから、という理由だそうです。すでに国連加盟国の120か国はパレスチナの加盟に賛成だそうです。3分の2の130数か国になるかどうかが注目されているようです。日本は米国の同盟国ですが、だからといって、日本がパレスチナの国連加盟に賛成したら米国を裏切ることになるのでしょうか。私はそうは思いません。
日本から見た米国は決して悪い国とは思えません。しかし、アラブ・イスラム諸国のほとんどは、米国のイスラエル政策には快く思っていません。私は昔、ビジネスにおいてユダヤ系の人たちとも交流を持ったことがあります。彼らは皆、本当にしっかりと物事を本質的に考え、ムードや情緒に流されず、得失を冷徹に判断する頭のいい人々でした。決して悪い印象は持っていません。他方、仕事の関係で中東に駐在していた経験もあります。そこで知ったアラブの人々は、パレスチナ人はもちろん、頑張っていたエジプト人、石油で豊かなアラビア湾岸諸国の砂漠のベドウィンの末裔や、明るいイラク人、商業の得意なイラン人、いつも悩んだ表情に見えましたが人情のあったアフガニスタン人なども知っています。日本人の私から見て、彼らは皆共通してイスラム教徒であることに誇りを持っていて、人間的魅力にあふれていました。
そんな体験から、イスラエルのパレスチナ政策は本当におかしいと思っています。第二次大戦中、確かにナチスがユダヤ人に対してきわめて残酷な行為をしたことは許されませんが、4000年以上の長い中東の歴史を振り返れば、そんな不幸な出来事は他にも多数ありました。現代では、もはや過去の歴史にこだわり争い続けるよりも、各民族が和解して、それぞれの独自性を持ったまま共存共栄してゆく必要があることを、すべてのアラブ人はわかっています。しかし、イスラエルだけは、無謀な理屈を唱え、いまだにパレスチナ地域での平和的共存の方向を拒絶しています。ガザ地区を支援しようとしたトルコの船舶を軍事攻撃しました。中東で唯一核兵器を暗黙の裡に保有しています。パレスチナの土地を軍事力で奪い取ろうとしています。パレスチナが国連加盟したら、イスラエルは制裁を加えるそうです。何故そんなことが許されるのでしょうか。パレスチナが国家として自立してしまったら、簡単に占領できなくなるからでしょう。
米国の世界政策における最大の誤りは、イスラエル政策です。そのためにイスラム圏の国々と問題を起こし、アルカイダなどのテロリストを発生させ、イランとも対立しています。イスラエルに、軍事力で制圧して、民衆を排除して、実効支配する第二次世界大戦以前の領土拡張策を許してしまえば、過去の日本の満州国支配も正当化され、旧ソ連の樺太、北方領土占領も正当化され、中国軍も尖閣諸島を奪いに来るでしょう。韓国だって軍隊を出して竹島占有を正当化するでしょう。今後の日本の外交政策、領土保全外交としても、イスラエルのパレスチナ領土政策には反対するという筋の通った態度をとる必要があります。米国のよき理解者であり、友人であり、同盟国である日本としては、イスラエル・パレスチナの両者が国連の舞台で、堂々と自己の主張をしあう、本当の話合い主義、平和主義へ向かわせることができれば、米国の中東政策に軌道修正の機会を与え、世界の反米主義の芽を摘んでゆく効果があります。日本とアラブ・イスラム圏各国との友好も更に深められると思います。まして、野田総理の民主党は、もともと国連至上主義を掲げてきました。パレスチナの国連加盟に賛成する位のことはできるはずです。
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