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2011-10-03 00:00
(連載)避難区域一部解除などの動きを歓迎する (1)
角田 勝彦
団体役員
9月30日、政府の避難区域一部解除で約2万8千人の避難民の帰郷が可能になった。同じ30日、がれきの除去に協力するため東京都は岩手県と受け入れの協定を締結した。今後、宮城県とも同様の協定が予定されている。都民の一部から「放射能を入れるな」など反対がよせられているが、科学的に問題なく、9月25日の成田山新勝寺による陸前高田市の松たき上げに続く快挙である。都の英断を評価する。批判には「てやんでえ こちとら(弱きを助ける)江戸っ子でえ」とたんかを切りたい。
政府は9月30日、原子力災害対策特別措置法に基づき指定した三つの避難区域のうち、福島県の5市町村が対象となった「緊急時避難準備区域」の指定を一斉に解除した。これは福島第一原発を「冷温停止状態」に導く作業が順調に進んで事故収束に向けた工程表のステップ2の達成時期を来年1月中旬から年内に前倒しできたことと放射性物質の放出量が大幅に抑制されたことに基づく措置で、対象住民は計約5万9千人であり、うち約2万8千人が区域外に避難している。帰宅支援や閉鎖中の学校の再開などが急務となる。
これを契機に遅れがちの被災地域のがれきの除去と放射性物質の除染を急がねばならない。とくに放射性物質に汚染されたがれきが問題である。除染をしない場合、住民帰宅の目安としている年間被曝線量20ミリシーベルト以下になるまでには、現在100ミリシーベルトの地域は約10年、50ミリシーベルトの地域は約4年かかるという。幸い除染計画立案も進み予算のめども立ちかけている。細野原発相兼環境相は10月2日、福島県庁で佐藤知事と会い、放射性物質の除染について、年間の追加被曝線量が1ミリ以上5ミリシーベルト未満の地域(これまで対象外)にも国が財政支援を行う方針を伝えた。
大きな問題は、放射能汚染への懸念ががれき処理を遅らせる構図が鮮明になってきたことである。環境省によると、岩手、宮城、福島3県で発生したがれき、つまり災害廃棄物は、約2200万トンに上る。うち宮城県は約1500万トン、岩手県は約580万トン、残りが福島県である。(つづく)
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