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2011-10-04 00:00
(連載)避難区域一部解除などの動きを歓迎する (2)
角田 勝彦
団体役員
さらに国の責任で実施する放射性物質の除染のため、土壌や落ち葉などの総除去量は東京ドーム23杯分の約2900万立方メートルになるとされた。これは、環境省の従来計算(原則として年間の追加被曝線量が5ミリシーベルト以上の地域を対象とする方針≪都市部の側溝など、線量が局所的に飛び抜けて高く、生活への影響も大きいホットスポットは1ミリシーベルト以上とする。森林では土壌は除去せず落ち葉の回収で対応する≫)によるものである。2日の1ミリシーベルトへの修正で対象地域及び土壌量は増大しよう。なお環境省は8月、放射性セシウムの濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の焼却灰は埋め立て可能とする指針を示した。
がれき、約2200万トンは3県の通常の廃棄物処理量の10年分を超えている。中間貯蔵施設(仮置き場)をめぐって、地域住民との話し合いが難航しているところも多い。7月上旬までに仮置き場に移されたのは35%の763万トンだけだった。8月、福島県を訪れた菅直人前首相が県内設置を要請したが、佐藤知事は「突然の話で、非常に困惑している」と反発した。ただし9月30日には、放射能に汚染された土壌やがれきを保管する中間貯蔵施設について、細野原発相兼環境相と2日に会い、貯蔵の期間や量など施設に関する詳細な説明を求める考えを明らかにした。会談の詳細は明らかにされていない。
県外で反対が県内よりいっそう強いのは当然と言える。環境省の調査では、5月中旬段階で愛知など41都道府県に計約460万トンの受け入れ能力があることが判明したが、実際にがれきの受け入れを決めた自治体は極めて少ない。そのなかで、東京都は9月30日、岩手県などと災害廃棄物の処理基本協定を締結した。来年3月までに岩手県宮古市のがれき計1万1千トンを処理する予定である(鉄道で都内の民間破砕施設に輸送して処理後、東京湾に埋め立てる)。なお、このがれきを処理した焼却灰を岩手県が検査したところ、検出された放射性セシウムは1キロ当たり133ベクレルと基準値(1キロ当たり8千ベクレル)を大幅に下回っていた。
今後は宮城県とも同様の協定を結び、岩手、宮城両県のがれき約50万トンを受け入れる方針とされる。共助の精神から、がれき及び土壌等の中間貯蔵及び処理について、福島県を含め全地方公共団体と住民が、地域エゴを捨てて臨むことが期待される。(おわり)
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