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2011-10-09 00:00
日本民主主義に対する疑問
松井 啓
元駐カザフスタン大使
何故日本には強い指導力(リーダーシップ)を持った若手政治家が育たないのだろうか。なぜ国家の目標や将来を考える政治家(ステーツマン)が出てこないのだろうか。
日本はアメリカのカルフォルニア州よりもより小さいにもかかわらず、地方から中央にかけ何段構えもの議会があり、国会では衆議院と参議院の二院がある。これらの議員は報酬に見合った働きをしているのだろうか。彼らの報酬(月給、諸手当、特権的料金、退職金等)をチェックして、それに見合った働きをしているのか公務員や民間企業との比較や国際比較をする必要があり、選挙民は選びっぱなしではなくもっと厳しく監視する必要があるのではなかろうか。
議員の総数はどの位になるのか見当もつかないが、選挙の投票率は40%にも満たない所が多い。若い世代ほど投票率が低い。何故若者は怒らないのだろうか。議員に任せておけば大丈夫と思っているのだろうか、それとも政治に対する期待が持てないのであきらめているのだろうか。支持したい党や候補者人がいないのであれば、何故政治家にふさわしい人物が立候補して当選できないのだろうか。
現行政治システムや選挙制度では膨大な資金を費消しないと当選できないような闇組織があるのだろうか。派閥、政治家グループの利権に基づく親分子分関係が自由な主張を阻んで、正当な主義主張に基づく自由競争原理が働かないのだろうか。
草の根レベルから国政選挙まで現在の制度を見直して、抜本的な政治改革を行うことが必要ではなかろうか。国際関係が液状化し、大きく構造変化をしている中で、長期的見通しを持って独立国家としての国益と国民を守る外交と防衛を真剣に考える指導者を期待するのは、未だ危機が小さ過ぎ時期尚早なのだろうか。せめて明治維新150周年の2018年には新しい政治秩序で内外の課題に取り組める指導者が出てきて欲しいものである。どうしたら危機意識や改革の機運を高めることができるのだろうか。
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