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2011-10-12 00:00
(連載)プーチン首相の「ユーラシア連合」構想と訪中(2)
河東 哲夫
元外交官
今回プーチン首相の訪中での見ものの一つは、彼がこの「ユーラシア連合」をどのように使うかなのだ。「このように立派なものをロシアは作ることにした。ついては中国を入れてやるから、その代わりにロシアの天然ガスを高値で買え」ということになるのかどうか、そして中国がそれを飲み、その代わりに高速鉄道の建設など「先端技術」面で中国がロシアを助け、ロシアの近代化を助けるという戦略的関係を結ぶ。こうしてロシアはユーラシアの中部を牛耳る連合の核として、EU、中国と鼎立してユーラシアを差配する。
日本、米国、ASEANなどはこうした構図に後から「入れてやる」・・・このような時代遅れの発想をプーチン首相の取り巻きたちはしているのでないか?明日か明後日の新聞には見出しが出るだろう。「中ロ、エネルギー、先端技術で戦略的協力関係へ。ユーラシア、巨大勢力鼎立の時代へ」。だが、日本の企業は慌てる必要はない。
「ユーラシア連合」なるものに、どんな国が入るというのか? 中央アジアか? いや中央アジア諸国にとっても中国との経済関係はロシアとのそれを上回りつつあるので、ロシアだけに組み込まれてしまっては困ることだろう。ロシアは、「ユーラシア連合」を作るなどと大風呂敷をひろげて、後で大恥をかくことにならないだろうか。
エネルギーについてだが、他ならぬロシアは中国だけが顧客になるという事態は避けたい。中国国内のエネルギー価格は低めに抑えられているので、外国からできるだけ安く買いたたこうとするからだ。新幹線技術や発電所の輸出については、中国に当面やらせておけばいい。ロシアは、このようなカビ臭い発想と戦術で2012年のAPEC首脳会議をうまく乗り切れると思っているのだろうか? いや思っているのだろうが、そこにはアジア太平洋方面についての勘がまったく欠落している。(おわり)
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