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2011-10-24 00:00
(連載)日本政府のポスト京都議定書採択の延長について思う(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
11月末から12月上旬にかけて南アフリカで開かれる気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)において、日本政府が、温室効果ガス削減に関する、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みについて、2015年以降に採択するよう主張する方針を固めたと、報じられている。そして、京都議定書は2012年いっぱいで期限が切れるが、その後の枠組みが実際に採択されるまでは、各国が削減義務を負わない移行期間として、各国が掲げた自主的な削減目標の着実な実行を求めることとしている。これは、移行期間においては、昨年12月のCOP16で採択されたカンクン合意を温室効果ガス削減の指針とすべしということである。
カンクン合意は、次の二つの柱からなる。(1)コペンハーゲン合意に基づき国連に登録した目標・行動が各条約締結国によって実施されることに、留意する。(2)コペンハーゲン合意に基づき国連に登録した目標が、附属書I国によって実施されることに、留意する。なお、コペンハーゲン合意は一昨年のCOP15で採択された合意である。
今回の我が国の主張は、要するに、問題先送りである。そもそもカンクン合意自体、問題の先送りで体裁を取り繕ったようなものであり、対立が先鋭化している温室効果削減問題で早期の合意を得ようというのは、所詮は無理な相談である。途上国は、ポスト京都議定書は京都議定書の延長で対応せよと主張している。
京都議定書は、先進国のみに削減義務を負わせる差別的なものであり、途上国にとって極めて都合がよいので、そのような主張は、自然であるといえる。EUは、京都議定書の条件付き延長を容認するという方針を、EU環境相理事会が決定するに至った。EUは、東方拡大と域内での融通がきくことが相俟って、削減義務が比較的負担にならない。また、先行している環境技術産業を後押ししたいという思惑もある。(つづく)
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