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2011-11-17 00:00
(連載)世界人口70億の意味するもの (2)
角田 勝彦
団体役員
マルサスの人口論はさておき、世界人口の40年間での倍増は、1972年のローマクラブの報告書『成長の限界』を生んだが、現実の展開により、その予測はほぼ否定された。食料、エネルギー資源、レアメタル、果ては水にいたるまで、多くの場合中国を悪役にして争奪戦を云々する向きもあるが、経済の問題は経済的活動で解決できる。食料安全保障といったおどろおどろしい表現は使うべきでない。もちろん援助は必要だが、幸い途上国でもBRICsの例のように目覚ましい経済発展がみられるのである。
より問題なのは先進国中心に生じている少子高齢化と人口減である。筆者は本欄に2011年2月8日および2月9日付けで「少子高齢化と日本の未来」と題する投稿を行い、右は日本国際フォーラム会報春季号(2011年4月1日発行)「百花斉放から」欄に転載された経緯があるので詳述をさけるが、国連の上記報告は、現在、60歳以上は世界人口の13%に過ぎないが、今世紀半ばには26%に達する見通しと指摘している。
実数で見ると現在の8億9300万人が世界人口が93億人となる2050年には24億人に増加する見通しである。非就労人口のこのような増加は地球規模の課題となりそうである。日本の場合、人口が現在の約1億2700万人から2100年には約9130万人に減少するなか、高齢者は増えていく。なお平均寿命は延び続け、2095~2100年に男性が89.0歳、女性は95.7歳、全体では92.3歳に上る由である。
2010年の総人口に占める老年人口(65歳以上)の割合は23.1%と、2回連続で世界最高だった(うち80歳以上は826万人と初めて800人を突破した)。 このような人的資源を使用しないのはもったいない。働ける場所の確保は高齢者の社会における存在意義・幸福感も高めよう。もちろん希望者に限るが、我が国は官民一体となって長期的総合的見地から、活用策を作成し、もって世界に範を示すべきである。(おわり)
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