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2011-12-01 00:00
(連載)日本はCOP17へ積極性をもって臨め(1)
角田 勝彦
団体役員
地球温暖化進展の発表も多い中、ダーバンのCOP17は難航が予定され、場合によっては日本が延長「京都議定書体制」不参加を検討せねばならぬ事態も起こり得る。政府は11月29日に開いた地球温暖化問題に関する閣僚委員会で、仮に延長が決まった場合には参加を拒否する対処方針を決定した。しかし、まだ明年ドーハで開催が予定されるCOP18(その前に韓国で閣僚級会合開催)もあるし、COP16で採択された「カンクン合意」(先進国から途上国への温暖化対策資金や技術移転の仕組みづくりを行い、先進国と途上国の双方が自国の削減目標や削減行動を自主的に登録する仕組み)を進展させる機会もあろう。
無理に議定書延長が決められ日本に削減義務が課せられないよう、不参加もあり得るとの姿勢を示しておくことの必要性は、必ずしも否定できないが、せっかく低炭素技術の普及・促進、他の先進国と連携した技術革新の取り組み、脆弱国への配慮などを柱とする「世界低炭素成長ビジョン」まで提言するのだから、日本はまずは技術、市場、資金を総動員し、世界全体を低炭素成長に導くべく積極的に貢献していく姿勢を最後まで示すべきである。11月28日から12月9日までの予定で、南アのダーバンに190カ国以上の政府や非政府組織(NGO)代表ら1万人以上が参加し、COP17(国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議)が開催されている。12月6日からは閣僚級会合が始まるが難航が予想されている。
ポスト京都の枠組みを2009年のCOP15で決める約束はずるずるとのびており、今回も事前の準備会合(パナマでの気候変動枠組み条約の特別作業部会やステレンボッシュ非公式閣僚級会合)では進展がなかった。欧州の債務危機で交渉が停滞していることもあり、玉虫色の合意で議論を先延ばしせざるを得ない、との見方も強い。COP17の中心課題は、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた1997年の京都議定書(目的は2008年から2012年までの期間中に、先進国全体の温室効果ガスの合計排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減すること)の期限が2012年末に迫る中、期限切れで、削減義務がない「空白期間」が生まれないようにするにはどうすべきか、である。
新興国を含む途上国(温顔化ガス排出量世界一位の中国、三位のインドを含む)は、「温暖化を招いた先進国が先に削減すべきで、途上国は資金や技術の援助がなければ、温暖化対策に取り組めない」と主張し、京都議定書の枠組み延長(第2約束期間)を要求している。11月22日には、開催国・南アのモレワ水資源・環境相も「アフリカやその他の途上国は議定書延長を熱望している」との声明を発表した。これに対し2008~12年(第1約束期間)では二酸化炭素を含む温室効果ガス排出量の90年比6%減を課せられている日本は、全ての主要な温室効果ガス排出国が参加する公平で実効性ある枠組みづくりを主張している。ひとつには、京都議定書では世界第二位の大量排出国である米国(「中国やインドなどが同等の義務を負わない限り、法的枠組みに反対する」として2001年に議定書から離脱)や中国・インドが削減義務を負っておらず、議定書の削減義務国の排出量が世界全体の約27%にとどまるからである。つまり残りの73%が野放しでは議定書参加国が削減に努力しても世界全体での排出削減効果は薄いからである。(つづく)
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