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2012-02-25 00:00
瓦礫を分配廃棄しよう!
松井 啓
元駐カザフスタン大使
昨年3月11日の東日本での三重災害の時は、秩序を保ち黙々として災害に耐える現地の人達が世界の称賛を浴び、またボランティア活動や義捐金による支援の高まり、自衛隊と米軍のトモダチ作戦の展開、更に世界150以上の国や地域、国際機関からも多くの資金や物資が寄せられた。「絆」(キズナ)が世界の合言葉となった。
あれから1年になんなんとしている。被災地では未だに瓦礫の山に囲まれて暮らしている。日本人の助け合いの精神は一体何処に行ってしまったのだろうか。瓦礫の引き取りは東京都が手を挙げた以外は明確な意思表示がないと聞いている。どうして我々は痛みを分かち合うことができないのであろうか。どうして全国の知事達は引き取りにこぞって手を差し伸べないのであろうか。国会議員がこの悲惨な問題解決に前向きな姿勢を示せないのは、「総論賛成・各論反対」の地元の地域エゴを恐れているからだろうか。何故内閣は国会でこの問題を取り上げ早急な解決に向け真剣な議論をしないのだろうか。現政権は瓦礫の全国的な分配処理に強力な指導力を発揮すべきではないだろうか。何故マスコミはこの問題の解決に向け全国家的キャンペーンをしないのだろうか。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」でもう話題として趣味期限が過ぎてしまったと思っているのだろうか。
天皇陛下も御体調にもかかわらず、被災地の人々の状況にお心を痛め彼らの安寧を心より願っておられ御様子である。我々が1年を過ぎても瓦礫の処理に具体的方向性を示せなければ、日本人を称賛した国際的マスコミは逆に失望し、連帯感がなく実行力のない日本人との評価を下し始めることだろう。これは日本人の気概と国際的威信の問題でもある。
日本の桜は世界的に有名である。瓦礫処理の工程表が早急に確定し、桜の咲く頃には被災地の皆さんが心から花見酒を味わえるようになることを願っている。
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