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2012-03-06 00:00
一方的な希望的観測をしてはならない
松井 啓
元駐カザフスタン大使
本日、本欄に投稿された袴田茂樹氏の「プーチン首相の北方領土発言の真意を読み誤るな」の「読み」に全面的に賛成である。今まで何度も日本側に都合のよい解釈をして混乱・迷走しているのに、プーチンが首相から大統領に返り咲くからといって、今更色めき立つ理由は全くない。ロシアは日ソ共同宣言に明記してある歯舞・色丹の2島だけを、場合によっては日本側に「引き渡す」ことはあろうが、4島をすべてを「引き渡す」だろうと考える理由は全くない。
法的性格が不安定な島での「共同経済活動」の提案に乗るのであれば、その条件を厳しく確認しておく必要がある。賃貸しをした部屋を店子が住みやすく改良したのを見極めてから契約を破棄してくる大家は、新興国に多いことを知るべきである。
また北極海の温暖化、中国の海洋軍事力の増強、アメリカのアジア・シフトを背景として、これら4島のロシアにとっての軍事的重要性も変化することを十分に認識しておく必要があろう。
いずれにしても、これら4島の去就については、長期的かつ大局的な国益の見地から、しっかりとした国民的合意を早急に形成すべきであり、その前に個人的、党派的功名心から拙速な行動に出ることは重々控えるべきである。
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