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2006-10-08 00:00
連載投稿(3)中国とどう向き合うか
塚崎公義
久留米大学助教授
では、どうすればよいのかと聞かれると、これは大変難しい問題だとしか言いようがありません。中国の強大化に備えて「米国や欧州はもちろん、インドやロシアとも親しくしておく」という選択肢は、合従連衡の国際政治の中では重要なことかもしれません。国連などでは数がモノを言う場面が少なくありませんから、その他のアジア諸国と仲良くしておくということも、中国への抑止力の一つにはなるでしょう。
もっとも難しいのは中国とどう向き合うかです。相互理解を深めるべきだというようなことは当然としても、それだけで30年後の日本が安泰になるわけではないでしょう。「中国が日本を必要としている間に日本が妥協をして日中関係を改善しておく」という選択肢はあるでしょう。今のうちに中国側の無理難題を聞き入れておかないと、力関係が変わってからでは一層の無理難題を押し付けられるだけかもしれません。しかし、だからといって、唯々諾々と要求を呑んでしまえば、先方からの要求がエスカレートするだけで、かえって事態は悪化するかもしれません。また、どうせ妥協をするのであれば、日中双方の国民感情があまり悪化しないうちの方がやりやすいでしょうが、安易に屈服したような印象を持たれると、そのこと自体が日本人の対中感情を一気に悪化させる可能性もあるでしょう。
まあ、30年前に今の世界を想像出来た人は非常に少ないでしょうから、今回の私の予測も当たらないとは思いますし、議論のためにあえて極論を述べた面も皆無ではありません。しかし、都合の悪い事態を想定して対策を練るというのはリスク管理の基本ですから、今のうちから長期的な戦略性を持った議論を深めて行くことが是非とも必要です。活発な御議論を御願いいたします。その際、あまり卑屈な議論ばかりしていると諸外国にナメられる原因ともなりかねませんから、威勢のよい反論などを寄せていただけると幸いです。(おわり)
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