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2012-04-04 00:00
(連載)永田町はイランとの関係を再考せよ(2)
河村 洋
市民政治運動家
1960年代から70年代にかけて、日本はパーレビ体制とは友好的な関係にあった。IJPC石油化学プロジェクトの合意が結ばれたのは、シャーとの間である。我が国にとって、共産主義者のモサデグも暗黒時代の精神に浸りきったムラーも、とてもではないがビジネスのできる相手ではない。チャーチルよりもスターリンを支持するような発言をした玄葉氏と藤井氏は、各々が民主党と自民党を離党して共産党に入った方がよろしいのではなかろうか。
不思議なことに、参議院ではこうしたおぞましき発言に対して野次一つなかった。永田町の政治家達は中東での日本の立場に鈍感なようだが、日本が西側民主主義の主要国であることからすれば由々しきことである。またバラク・オバマ大統領のカイロ演説が、アメリカ国内では「アングロ・イラニアン石油紛争の解決にCIAとMI6が起こしたクーデターに対してあまりにも謝罪姿勢だ」として厳しく非難されたことを忘れてはならない。イランと日本が真の友好関係にあったのは、シャーの体制下で西欧的な教育を受けたエリート達が指導的な地位に就いていた時期である。
現在、彼らの多くはアメリカとヨーロッパで亡命生活を送っている。そうしたイラン人達は、国内でグリーン運動を支持する者達とともに祖国の自由のために活動している。よって現在の、玄葉氏と藤井氏が参議院でのたまったようなシーア派神権体制への宥和と共産主義者のモサデグへの賞賛に対しては、それがいかなる類いのものであれ、悪の体制と戦う我が国の真の友に対する侮辱と裏切りだと見なすほかはない。モサデグ体制の事例と同様に、イランの誤った行動を許すことへの短期的な利益と長期的な損失を考慮する必要がある。
遺憾なことに、日本のオピニオン・リーダー達は短期的な石油価格の上昇にばかり目が向いているが、歴史はチェンバレン的な平和主義によって長期的には脅威が著しく増大することを語っている。核大国への野望を抱くイランに封じ込めで対処するとなると、テロ支援をはじめテヘランの現体制が地域の不安定化を煽るために仕掛ける様々な行動にも対策を練る必要が出てくる。それはイランへの先制攻撃よりも長期的には高くつくかも知れない。正しい歴史の理解は正しい政策の選択への前提条件である。永田町の政治家達は我が国のナショナル・アイデンティティーとイラン現代史について再考する必要がある。(おわり)
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